新規集客の前に、過去のお客さんという金鉱を掘れ

既存客マーケティングとして過去のお客さんという温存された価値を掘り起こす様子 ダン・ケネディ
新規集客の前に、過去のお客さんという金鉱を見直す。

売上が落ちてくると、多くの人はまず新規集客を考えます。もっと広告を出さないといけない。SNSの投稿を増やさないといけない。新しい見込み客を集める導線を作らないといけない。そう焦る気持ちは、よく分かります。

でも、少し立ち止まって考えてみてください。

あなたの商品を、すでに一度買ってくれた人はいないでしょうか。昔問い合わせてくれた人はいないでしょうか。過去に講座を受けてくれた人、サービスを使ってくれた人、メルマガに登録してくれたまま眠っている人はいないでしょうか。

新規集客ばかり見ていると、すでに自分のビジネスの中にある売上の種を見落としてしまうことがあります。

この視点を教えてくれるのが、ダン・ケネディです。ダン・ケネディは、マグネティック・マーケティングの創始者として知られる、ダイレクト・レスポンス・マーケティングの世界的な権威です。著書は37冊あり、コンサルタント、セールスライター、講演家、起業家としても実績を持つ人物です。

彼は、ビジネスの中にすでにある「温存された価値」に目を向ける重要性を語っています。その中でも大きいのが、過去に商品やサービスを購入した未活用の顧客です。

ダン・ケネディは「過去のお客さん」を温存された価値として見ている

ダン・ケネディの考え方で面白いのは、売上を増やす時に、いきなり外へ外へと探しに行かないところです。

多くの経営者は、売上が欲しくなると「新規顧客はどこにいるのか?」と考えます。もちろん、新規顧客は大切です。新しいお客さんが入ってこないビジネスは、いずれ先細りします。

ただし、新規だけを追いかけると、効率が悪くなります。

すでに一度あなたから買ってくれた人は、まったく知らない人ではありません。あなたの商品を知っています。あなたの対応を知っています。過去にお金を払った経験があります。

つまり、ゼロから信頼を作る必要がありません。

新規客より、過去客の方が近い

初めての人に買ってもらうには、まず存在を知ってもらう必要があります。次に、興味を持ってもらう。さらに、信頼してもらう。そして、ようやく購入を検討してもらえます。

一方、過去のお客さんは、この壁を一度越えています。

もちろん、全員がすぐ買うわけではありません。時間が経っている人もいますし、今は別の悩みを抱えているかもしれません。

それでも、完全な新規客よりはずっと近い場所にいます。

ここを見ずに新規集客だけを追いかけるのは、家の中に財布を置いたまま、外へ小銭を探しに行くようなものです。

新規集客ばかり追う人が見落としているもの

新規集客は分かりやすいです。広告を出す。SNSを伸ばす。SEO記事を書く。無料プレゼントを作る。これらは目に見える行動なので、頑張っている感があります。

でも、売上が安定しているビジネスほど、過去のお客さんとの関係を大切にしています。

購入後に連絡する。役立つ情報を送る。次に困りそうなことを先回りして伝える。関連商品を提案する。必要なタイミングで、もう一度声をかける。

こうした地味な接触が、売上の土台になります。

前回の記事でも書いたように、[ビジネスで一番危険な数字は「1」である]という考え方は、新規集客にも当てはまります。新規客だけに頼る。広告だけに頼る。SNSだけに頼る。この状態は、何か1つが止まった時に一気に苦しくなります。

過去のお客さんは、すでに一度あなたを選んでいる

過去のお客さんに再提案する時、売り込みっぽくなるのが嫌だと感じる人もいます。

その感覚は悪くありません。雑な売り込みをすれば、関係性を壊します。

ただ、相手が本当に必要としているものを提案するなら、それは迷惑ではありません。

昔、LP制作を依頼してくれた人がいるなら、その後にステップメールやメルマガ導線で困っているかもしれません。講座を受けてくれた人なら、今度は実践段階で添削が必要かもしれません。整体に通っていた人なら、季節の変わり目に体の不調が戻っているかもしれません。

過去のお客さんは、もう一度売り込まれるのを待っているわけではありません。

でも、自分に必要な提案なら、喜んで受け取る可能性があります。

休眠顧客は、失った顧客ではなく眠っている資産である

しばらく買っていないお客さんを見ると、「もう興味がないのかな」と思ってしまうことがあります。

でも、そう決めつけるのは早いです。

単に忘れているだけかもしれません。タイミングが合っていなかっただけかもしれません。次に何を買えばいいか分からなかっただけかもしれません。

商品やサービスに不満があったのではなく、こちらが次の提案をしていなかっただけというケースもあります。

何も提案していないから買っていないだけかもしれない

お客さんは、あなたの商品ラインナップをすべて覚えているわけではありません。

あなたが何をしている人なのか、どこまで相談できるのか、どんな商品があるのかを知らないまま離れている人もいます。

だからこそ、既存客や過去客には、定期的に「今はこんなこともできます」と伝える必要があります。

これは、押し売りではありません。

お客さんが必要な時に思い出せるようにするための接触です。

たとえば、いつか必要な商品を今欲しい商品に変える方法でも書いたように、人は商品そのものではなく、必要になる場面が見えた時に動きます。過去のお客さんへの提案も同じです。今の悩みと商品がつながった時、もう一度買う理由が生まれます。

既存客に売る時は、売り込みではなく次の問題を見つける

既存客マーケティングで大切なのは、「また買ってください」と言うことではありません。

お客さんの次の問題を見つけることです。

一度買ってくれた人には、その後の変化があります。最初の商品で悩みが解決したからこそ、次の悩みが出てくることもあります。

初心者向け講座を受けた人は、次に実践でつまずくかもしれません。LPを作った人は、次に広告やメール導線で悩むかもしれません。ホームページを作った会社は、次に問い合わせ獲得や事例記事の作成で困るかもしれません。

ここに、次の商品やサービスのヒントがあります。

お客さんの次の悩みを商品にする

売上を増やすには、まったく新しいターゲットを探す前に、今のお客さんの次の悩みを見つけることです。

「購入後にどこで止まっているか」
「次に何を知りたくなるか」
「成果を出すために追加で必要なものは何か」
「継続するために何が不安か」

こうした問いを立てると、自然に次の商品が見えてきます。

この視点は、[売れる文章は、うまい文章ではなく迷わない文章である]という考え方にもつながります。売れる文章は、お客さんが次に何で迷うかを先回りして案内します。既存客への提案も同じで、相手が次に迷う場所へ、必要な商品を置いておくことが大切です。

過去顧客に送るメッセージの作り方

過去のお客さんに連絡する時、いきなり商品を売ると重く感じられることがあります。

だから、最初にやるべきことは関係を戻すことです。

「お久しぶりです」
「以前ご利用いただいた方向けに、最近よく相談される内容をまとめました」
「前回のサービスをご利用いただいた方から、次に多い悩みがこちらです」

このように、過去の接点を自然に思い出してもらうところから入ります。

いきなり売らずに関係を戻す

メッセージの流れは、次の順番が使いやすいです。

まず、過去の接点に触れる。次に、相手が今抱えていそうな悩みを言語化する。そのうえで、役立つ情報やチェック項目を渡す。最後に、必要な人だけが相談できる導線を置く。

たとえば、LP制作を過去に依頼してくれた人には、こんな流れが考えられます。

「以前LPを制作した方から、最近は“アクセスはあるのに問い合わせが増えない”という相談が増えています。原因は、LPそのものではなく、メール導線や個別相談までの流れが切れているケースもあります。必要であれば、現在の導線を一度見直せます」

このくらいなら、ただの売り込みには見えません。

相手の状況を想像したうえで、必要な提案をしているからです。

中小企業のWeb集客でも、シマテックのように、見込み客が必要な時に見つけられる導線を作っておくことが大切です。過去客への連絡も同じで、必要な時に思い出してもらえる状態を作ることが、売上の安定につながります。

あなたのビジネスにどう応用するか?

まず、自分のビジネスの中に眠っているお客さんを見直してみてください。

過去に買ってくれた人。途中まで話が進んだ人。無料相談に来たけれど購入しなかった人。メルマガに登録したまま反応が薄くなった人。以前はよく買ってくれたのに、最近離れている人。

こうした人たちは、完全に失われた顧客ではありません。

今は眠っているだけかもしれません。

過去顧客リストを3つに分ける

最初にやることは、リストを分けることです。

1つ目は、過去に商品やサービスを買ってくれた人。2つ目は、問い合わせや無料相談までは来たけれど買わなかった人。3つ目は、メルマガやLINEに登録している見込み客です。

同じメッセージを全員に送る必要はありません。

過去に買ってくれた人には、次の悩みに合わせた提案をする。買わなかった人には、当時の不安を解消する情報を送る。見込み客には、今必要性が高まる場面を伝える。

相手の状態によって、送る言葉を変えることが大切です。

次に買う理由を作る

過去のお客さんに提案する時は、「また買ってください」では弱いです。

必要なのは、次に買う理由です。

前回の商品を使った後、次にどんな問題が出るのか。放置すると何がもったいないのか。追加で何を整えると、もっと成果が出るのか。

ここを言語化すると、提案は自然になります。

既存客マーケティングは、押し売りではありません。

一度つながったお客さんに、今の状況に合う次の価値を届けることです。

新規集客はもちろん大切です。ただ、その前に見直すべき場所があります。

過去のお客さんです。

あなたのことを知っている人。すでに一度信頼してくれた人。お金を払ってくれた人。まだ次の商品を提案されていない人。

そこには、ダン・ケネディが言う「温存された価値」が眠っています。

売上を増やす一番近い場所は、まだ出会っていない新規客ではなく、すでにあなたを選んでくれたお客さんかもしれません。

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この記事を書いた人

   

セールスコピーライター てらじまたくろう

高額でも御社の商品を買いたい人を特定し、集め、高値で販売し、売上に貢献するセールスコピーライター。LP、ステップメール、セールスレター、説明会台本、AI集客動画まで、売れる導線を一気通貫で設計。このブログでは、実際に売れた商品や広告を題材に、「なぜ売れたのか?」をマーケティング視点で解説しています。

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