ホームページを開いた瞬間、きれいな写真が出てくる。おしゃれなロゴがある。代表の想いも書いてある。けれど、しばらく見ても何の会社なのか分からない。何を売っている会社か分からないページは、意外とたくさんあります。
本人はちゃんと書いているつもりです。こだわりも、理念も、サービス内容も載せている。でも、お客さんからすると「で、結局ここは何をしてくれる会社なの?」で止まってしまう。
これはかなりもったいないです。商品が悪いわけではありません。実績がないわけでもありません。むしろ、良い仕事をしている会社ほど、説明が遠回りになっていることがあります。
なぜなら、自分たちにとって当たり前のことほど、わざわざ言わなくなるからです。
お客さんは、分からない会社に問い合わせない
お客さんは、文章をじっくり読んでくれるとは限りません。特に初めてホームページやSNSを見る人は、「ここは自分に関係あるか?」を一瞬で判断しています。
その時に、何を売っている会社か分からないと、どれだけ良さそうでも候補から外れます。
たとえば、ホームページのトップに「人と未来をつなぐ」「地域に笑顔を」「想いをカタチに」と書かれていたとします。言葉としては悪くありません。けれど、その会社が工務店なのか、コンサル会社なのか、動画制作会社なのか、介護サービスなのか分からなければ、お客さんは次のページに行ってしまいます。
売れる文章以前に、まず必要なのは「何屋さんか分かること」です。
これは当たり前のようで、かなり抜けやすいポイントです。特に、理念を大事にしている会社ほど、最初に抽象的な言葉を置きたくなります。自分たちらしさを出したいからです。
ただ、初対面のお客さんに必要なのは、まず世界観ではありません。「自分の悩みを解決してくれる相手かどうか」です。
中小企業のWeb集客では、この分かりやすさが問い合わせ数を大きく左右します。シマテックのような中小企業の成功事例でも、ただ会社の情報を並べるのではなく、「誰に、何を、どう役立つのか」が伝わることが重要になります。
参考記事:https://toraso.wakayama.jp/takuroterajima/shimatec-success-reason
かっこいい言葉ほど、伝わらないことがある
会社のホームページでよくあるのが、かっこいいけれど具体性がない言葉です。
「未来を創造する」
「価値を共創する」
「暮らしに寄り添う」
「お客様の可能性を広げる」
「本質的な課題解決を提供する」
どれも一見、良さそうに見えます。でも、初めて見る人にとっては、何をしてくれるのか分かりにくい。
もちろん、こういう言葉が全部ダメというわけではありません。問題は、それだけで終わっていることです。
たとえば「暮らしに寄り添う」なら、そのあとに「和歌山で外壁塗装と屋根修理を行う会社です」と続けば分かります。「本質的な課題解決を提供する」なら、「採用に困っている中小企業向けに、求人ページと応募導線を作る会社です」と言えば伝わります。
抽象的な言葉は、具体的な説明とセットにして初めて意味を持ちます。
お客さんは、あなたの頭の中を知りません。会社の歴史も、こだわりも、業界内での立ち位置も、最初は何も知らないのです。だからこそ、最初の一文ではカッコよさよりも分かりやすさを優先した方がいい。
これは競合との見せ方にも関係します。自分の商品を選んでもらうには、他社を否定するよりも「うちは何が違うのか」を分かりやすく伝える必要があります。競合をリスペクトしながら選ばせる考え方は、こちらの記事でも書いています。https://toraso.wakayama.jp/takuroterajima/respect-competitors-copywriting
「誰に売っているか」が抜けると、もっと分からなくなる
何を売っている会社か分からない原因は、商品説明だけではありません。「誰に向けた商品なのか」が抜けている場合も多いです。
同じ動画制作でも、誰向けかで見え方は大きく変わります。
企業の採用動画を作る会社なのか。YouTubeの編集代行なのか。セミナー動画を販売コンテンツに変える会社なのか。治療院や美容サロン向けのショート動画を作る会社なのか。
全部「動画制作」ですが、お客さんから見ればまったく別物です。
コピーライティングも同じです。LPを書きます、だけでは弱い。講座販売のLPなのか、個別相談につなげるLPなのか、整体院の集客LPなのか、BtoBの問い合わせ獲得LPなのかで、読者の反応は変わります。
お客さんは、「この会社はすごそうだな」だけでは動きません。「これは自分のためのサービスだ」と思った時に、初めて問い合わせを考えます。
だから、ホームページやプロフィールでは、できるだけ早い段階でこの3つを伝える必要があります。
誰に向けているのか。何を提供しているのか。どんな結果につながるのか。
この3つが見えた瞬間、お客さんは読み進める理由を持てます。逆に、ここが曖昧だと、どれだけ丁寧な説明を書いても読まれにくい。
「いつか必要かも」と思われる商品を「今、見ておきたい」に変えるには、使う場面や対象者をはっきりさせる必要があります。この考え方は、こちらの記事にも通じます。https://toraso.wakayama.jp/takuroterajima/need-someday-want-now-copywriting
伝える順番を間違えると、良い商品でも伝わらない
商品やサービスの説明で大事なのは、情報量ではなく順番です。
多くの会社は、最初に自分たちの想いや歴史を書きたくなります。創業のきっかけ、代表の考え、こだわり、技術力。もちろん大事です。ただ、それを最初に全部出すと、お客さんは読む前に迷子になります。
最初に必要なのは、「ここは私に関係ありそうだ」と思ってもらうことです。
そのためには、まずお客さんの悩みや状況に触れる。次に、その悩みを解決するサービスを一言で伝える。そのあとで、なぜ自分たちがそれを提供できるのかを説明する。
この順番にするだけで、文章はかなり伝わりやすくなります。
たとえば、いきなり「私たちは創業30年、地域密着で信頼を積み重ねてきました」と始めるより、「ホームページからの問い合わせが少なく、紹介だけに頼っている中小企業へ」と言った方が、対象者は反応しやすい。
これは新しい市場を作るサービスでも同じです。LUUPのように、最初は利用シーンが分かりにくいサービスほど、「誰が、どんな時に、なぜ使うのか」を見せる必要があります。
参考記事はこちら:https://toraso.wakayama.jp/takuroterajima/luup-marketing
お客さんは、商品を理解するために努力してくれません。伝える側が、分かる順番に並べる必要があります。
分かりやすい会社は、それだけで安心される
「何を売っている会社かすぐ分かる」というのは、単に親切なだけではありません。それ自体が信頼になります。
なぜなら、お客さんは問い合わせる前に不安を感じているからです。
この会社に相談して大丈夫か。自分の悩みを分かってくれるのか。料金は高すぎないか。変な営業をされないか。そもそも、自分が問い合わせる相手として合っているのか。
こうした不安がある中で、ホームページの言葉まで分かりにくいと、お客さんはさらに不安になります。
逆に、トップページやプロフィールを見た瞬間に「この会社は、こういう人向けに、こういうことをしてくれるんだ」と分かれば、それだけで安心します。
分かりやすさは、安っぽさではありません。むしろ、分かりやすい言葉で価値を伝えられる会社ほど、強いです。
専門用語を使わないとすごく見えない、ということはありません。お客さんが欲しいのは、難しい説明ではなく、自分の悩みが解決するイメージです。
あなたのビジネスにどう応用するか?
まず、自分のホームページやSNSプロフィールを初めて見る人の目で見直してみてください。
トップページを開いて5秒以内に、何を売っている会社か分かるでしょうか。誰向けのサービスか分かるでしょうか。問い合わせると何が起きるのか、イメージできるでしょうか。
もし分かりにくいなら、最初に直すべきなのはデザインではなく言葉です。
特に見直したいのは、この3つです。
1つ目は、トップページの一番目立つ言葉です。ここに抽象的な理念だけが入っているなら、具体的なサービス内容も入れた方がいいです。
2つ目は、プロフィールや会社紹介です。代表の想いを書く前に、「誰のどんな悩みを解決しているのか」を先に伝えるだけで、読まれ方が変わります。
3つ目は、サービス名です。おしゃれな名前でも、何をするサービスか分からなければ損をします。サービス名だけで伝わらない場合は、必ず説明文を添えた方がいいです。
たとえば、「売上導線設計」だけでは少し分かりにくいかもしれません。そこに「YouTube、メルマガ、LP、個別相談までをつなげて、高額商品が売れる流れを作るサービス」と加えると、急に伝わりやすくなります。
「何を売っている会社か分からない」は、静かに売上を逃します。お客さんはわざわざ聞いてくれません。分からなければ、黙って離れていくだけです。
だからこそ、最初にやるべきことはシンプルです。
誰に、何を、どう役立てるのか。
この一文を磨くだけで、ホームページもSNSもLPも変わります。魅力的な文章を書く前に、まず迷わせない文章を書く。これができるだけで、あなたの商品は今よりずっと伝わりやすくなります。


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