なぜ、捨てられるはずの野菜がお金を払って買いたい商品になったのか?

Upcycle by Oisix 成功理由 捨てられるはずの野菜が買いたい商品に変わった理由を解説 V字回復
捨てられるはずの野菜も、見せ方と商品設計で「買いたい商品」に変わる

捨てられるはずの野菜に、お金を払って買いたくなる人がいる。

普通に考えると、不思議です。

ブロッコリーの芯、なすのヘタ、大根の皮、バナナの皮。こう聞くと、多くの人は「もったいない」とは思っても、「それを商品として買いたい」とまでは感じにくいはずです。

フードロス削減は大事です。

ただ、商品として売るなら、それだけでは弱い。

なぜなら、お客さんは社会問題そのものを買っているわけではないからです。

では、どうすれば捨てられるはずの食材が、お金を払ってでも買いたい商品に変わるのか。

そのヒントになるのが、オイシックス・ラ・大地の「Upcycle by Oisix」です。

Upcycle by Oisix 成功理由は「正しさ」を商品価値に変えたこと

Upcycle by Oisix 成功理由で面白いのは、単に「食品ロスを減らしましょう」と訴えているだけではないところです。

公式サイトでは、Upcycle by Oisixは、これまで捨てられていた食材を新しい商品へ生まれ変わらせ、新しい食の楽しみ方を広げるフードロス解決型ブランドとして紹介されています。

ここで大事なのは、「捨てられるものをそのまま売った」のではないことです。

ブロッコリーの芯を袋に入れて、「地球にやさしいので買ってください」と売ったわけではありません。なすのヘタをそのまま並べて、「もったいないから食べてください」と言ったわけでもありません。

未利用だった食材を、お菓子やジャムのような商品に変えています。

「もったいない」だけでは人は動きにくい

社会的に正しい商品は、たしかに応援されやすいです。

フードロス削減、環境配慮、サステナブル、アップサイクル。どれも今の時代に合っています。

ただ、正しいだけでは売れません。

お客さんは、買う瞬間にこう考えます。

おいしそうか。

自分が食べたいか。

家族にも出せるか。

見た目は好きか。

価格に納得できるか。

誰かに話したくなるか。

ここを超えないと、「いい取り組みですね」で終わります。

これは、いつか必要な商品を今欲しい商品に変える方法にも通じます。大事だと分かっていても、今欲しい形になっていなければ、人はなかなか動きません。Upcycle by Oisixは、フードロス削減を「大事な話」で終わらせず、手に取りたい商品へ変えたところがうまいのです。

捨てられる部分を、そのまま売らなかった

ブロッコリーの芯は、家庭でも捨てられやすい部分です。

オイシックス・ラ・大地の発表でも、流通プロセスで捨てられていたり、4割の家庭で捨てられていた「ブロッコリーの芯」をアップサイクルした商品を中心に、2021年7月開始の取り組みで2トンの食品ロス削減を達成したと説明されています。

ここで考えたいのは、なぜ「芯」なのに商品になったのかです。

普通なら、ブロッコリーの芯は主役になりません。

料理の中でも脇役です。人によっては、食べられることを知らずに捨てているかもしれません。仮に食べられると知っていても、わざわざお金を払って買うイメージは持ちにくい。

だからこそ、商品化の仕方が重要になります。

食べたい形に変えたから価値が生まれた

PR TIMESに掲載された発表では、冷凍ブロッコリーのカット工場で花蕾を切った後に残る茎を、ココナッツオイルで揚げたチップスとして商品化したことが紹介されています。さらに、下処理で食感と甘味を調整し、天日塩とてんさい糖で味付けした商品として説明されています。

この説明を見ると分かります。

ただの芯ではありません。

チップスになっています。

つまり、素材の意味を変えています。

「廃棄される部位」から「小腹がすいた時に食べられるおやつ」へ。ここで、商品としての見え方が変わります。

お客さんは、ブロッコリーの芯を買っているというより、「ちょっと面白くて、体にも環境にもよさそうなお菓子」を買っている感覚に近いはずです。

ここにマーケティングの力があります。

おいしさとパッケージで「買う理由」を作った

食品ロス削減の商品で失敗しやすいのは、社会貢献を前に出しすぎることです。

もちろん、社会的な意味は大切です。

でも、食べ物として売るなら、おいしそうに見えなければ手に取られません。

お客さんは、店頭やECサイトで一瞬で判断します。

これはおいしそうか。

自分の生活に合うか。

人にあげても変ではないか。

少し試してみたいと思えるか。

この判断をクリアしないと、どれだけ正しい商品でも購入にはつながりません。

社会貢献ではなく、嗜好品として見せた

Upcycle by Oisixのうまさは、フードロス削減を「我慢」ではなく「楽しみ」に変えているところです。

ブロッコリーの芯を食べることが、節約のための行動に見えると弱いです。

でも、チップスとして出されると印象が変わります。

ちょっと珍しい。

話のネタになる。

子どものおやつにもよさそう。

罪悪感が少ない間食に見える。

こうした買う理由が増えます。

この発想は、サイゼリヤのマーケティングにも似ています。サイゼリヤは安さを「我慢」ではなく、「気軽にいろいろ頼める楽しさ」に変えました。Upcycle by Oisixも、未利用食材を「もったいないから食べるもの」ではなく、「試してみたい商品」として見せているのです。

売れたのは「いいこと」だからだけではない

Upcycle by Oisixの初期商品は、実際に反応もありました。

2021年7月の発表では、「ここも食べられるチップス ブロッコリーの茎」が発売1週間で販売計画の3倍以上となり、食品ロス削減量も活用計画0.5トンに対して約0.7トンを実現したと紹介されています。

この数字が面白いのは、「社会的にいい取り組み」だけで終わっていないところです。

実際に買われています。

もちろん、Oisixの顧客層と相性が良かった面もあるはずです。食への関心が高く、安心感や新しさにも反応しやすい人が多い。その土台があったからこそ、アップサイクル商品も受け入れられやすかったと考えられます。

ただ、それでも商品として魅力がなければ、販売計画の3倍にはなりにくいはずです。

「応援したい」と「食べたい」を両方作った

この事例で大事なのは、感情の入り口が2つあることです。

ひとつは、応援したい。

食品ロスを減らせるならいい。捨てられるものが活用されるのは素敵。環境にもよさそう。こういう気持ちです。

もうひとつは、食べたい。

チップスとしておいしそう。少し珍しい。罪悪感が少ないおやつに見える。誰かに話したくなる。

この2つが重なると、商品は強くなります。

社会的に正しいだけなら、寄付や啓発に近くなります。

おいしいだけなら、普通のお菓子と比べられます。

でも、「応援したい」と「食べたい」が両方あると、選ぶ理由が増えるのです。

この構造は、ストーリーで価値が上がった木のボトルの事例にも通じます。価値が低く見えるものでも、意味や背景が加わると見え方が変わります。Upcycle by Oisixも、未利用食材に「新しい食の楽しみ方」という意味を加えたことで、商品価値を作っています。

「捨てられるもの」に買う理由を作った

Upcycle by Oisix 成功理由をまとめると、捨てられるものに買う理由を作ったことです。

ただのブロッコリーの芯なら、買う理由は弱い。

フードロス削減だけでも、まだ弱い。

でも、おいしそうなチップスになり、パッケージが整い、食品ロス削減という意味も乗ると、見え方が変わります。

「捨てられるもの」ではなく、「ちょっと試してみたい商品」になるのです。

商品価値は素材だけで決まらない

ここで学べるのは、商品価値は素材だけで決まらないということです。

高級な素材だから売れるわけではありません。

逆に、もともとの価値が低く見える素材でも、見せ方と体験を変えれば商品になります。

何に変えるのか。

どう見せるのか。

どんな名前をつけて、どんな場面で使ってもらうのか。

どんな気持ちで買ってもらうのか。

ここを設計できると、今まで価値がないと思われていたものにも、新しい市場が生まれます。

この点は、コカ・コーラのマーケティングともつながります。コカ・コーラも最初から世界的ブランドだったわけではなく、知ってもらい、試してもらう入口を作りました。Upcycle by Oisixも、未利用食材を知ってもらい、試したくなる商品へ変えたからこそ、購入のきっかけが生まれたのです。

あなたのビジネスにどう応用するか?

Upcycle by Oisix 成功理由から学べるのは、「正しいこと」をそのまま売ってはいけないということです。

これは食品ロスだけの話ではありません。

環境にいい商品。

健康にいい商品。

地域のためになる商品。

職人を守る商品。

伝統を残す商品。

社会的に意味のあるサービス。

こうした商品は、売り手からすると価値が明確です。

でも、お客さんから見ると「大事なのは分かるけど、今すぐ欲しいかは別」と感じることがあります。

正しさを「欲しさ」に変える

まず考えるべきなのは、その商品を買う人が何を楽しめるのかです。

おいしいのか。

かわいいのか。

便利なのか。

人に話したくなるのか。

使って気持ちいいのか。

自分らしさを表現できるのか。

誰かにプレゼントしたくなるのか。

ここを作らないまま、「社会にいいです」と言っても弱くなります。

次に、商品としての見た目を整えます。

名前、パッケージ、写真、使い方、説明文。ここが雑だと、どれだけ良い取り組みでも安っぽく見えます。

最後に、買う理由を複数作ります。

社会にいいから買う。

おいしそうだから買う。

珍しいから買う。

誰かに話したいから買う。

自分の価値観に合うから買う。

このように、購入理由が重なるほど商品は強くなります。

Upcycle by Oisixは、捨てられるはずの食材を、ただの「もったいないもの」として扱いませんでした。

おいしさ、見た目、楽しさ、社会的な意味を重ねて、買いたい商品に変えました。

あなたの商品も同じです。

価値が伝わっていないものがあるなら、素材や機能だけを見直すのではなく、見せ方を変えてみる。

正しさだけで押すのではなく、欲しくなる理由を作る。

「買ってあげる商品」ではなく、「自分から選びたい商品」に変える。

そこまでできた時、価値がないように見えていたものにも、新しい売れる理由が生まれるのです。

てらじまたくろうのプロフィール写真

この記事を書いた人

   

セールスコピーライター てらじまたくろう

高額でも御社の商品を買いたい人を特定し、集め、高値で販売し、売上に貢献するセールスコピーライター。LP、ステップメール、セールスレター、説明会台本、AI集客動画まで、売れる導線を一気通貫で設計。このブログでは、実際に売れた商品や広告を題材に、「なぜ売れたのか?」をマーケティング視点で解説しています。

仕事のご相談はこちら

V字回復
terajimaをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました