同じ商品を売っているのに、コピーを変えるだけで反応が変わることがあります。
ある文章ではまったく売れない。別の文章では申し込みが入る。商品は同じ。価格も同じ。特典も大きく変わっていない。それなのに、なぜ反応が変わるのでしょうか。
理由のひとつは、読者の認知度です。
すでに商品を欲しがっている人なのか。商品名だけ知っている人なのか。解決策のジャンルだけ知っている人なのか。悩みはあるけれど原因が分かっていない人なのか。そもそも問題に気づいていない人なのか。
この段階によって、書くべきコピーはまったく変わります。
ここで役立つのが、伝説的なコピーライター、ユージン・シュワルツの商品認知度の考え方です。
ユージン・シュワルツは『Breakthrough Advertising』で知られるコピーライターで、読者が商品や問題をどれくらい認識しているかによって、広告の切り口を変える重要性を説きました。
この記事では、その商品認知度を実際のブログ、LP、メルマガ、販売ページにどう使うかを解説します。
商品認知度とは何か?
商品認知度とは、読者があなたの商品や問題について、どのくらい理解しているかを表す考え方です。
難しく考える必要はありません。
要するに、読者が今どの段階にいるのかを見るための地図です。
すでに欲しい人に、問題の説明を長々としても退屈されます。反対に、問題に気づいていない人へ、いきなり商品名や価格を出しても反応されません。
つまり、コピーがズレる原因は、文章力だけではありません。
読者の段階を見誤っていることがあります。
読者の段階が違えば、響く言葉も変わる
腰痛に悩んでいる人を例に考えてみます。
すでに整体院を探している人には、「初回限定」「駅徒歩3分」「口コミ多数」などが響くかもしれません。
一方で、「最近なんとなく疲れやすい」くらいの人には、いきなり整体の予約を勧めても早すぎます。まずは「その疲れ、姿勢や体の使い方が原因かもしれません」と気づかせる必要があります。
コピーライティングも同じです。
売れる文章を書くには、まず読者がどの認知度にいるのかを見極めます。
1. 最も認知している人には、背中を押す
最も認知している人は、すでに商品を知っています。
欲しい気持ちもあります。
あとは、いつ買うか、どのプランにするか、今申し込むかを決める段階です。
この人に対して、長い問題提起は必要ありません。
必要なのは、購入条件と行動理由
この段階の読者に必要なのは、背中を押す情報です。
価格、特典、期限、保証、残り枠、申し込み方法。こうした情報が大切になります。
たとえば、コピーはこうなります。
「本日24時まで」
「残り5名で募集終了」
「今だけ特典付き」
「30日間返金保証つき」
「購入はこちら」
すでに欲しい人は、商品説明を読みたいのではありません。
迷いを解消し、安心して行動したいのです。
だから、この段階では余計な教育を入れすぎないことが大切です。
2. 商品を知っている人には、選ぶ理由を伝える
商品を知っている人は、商品名やサービスの存在は知っています。
ただし、まだ買う理由が固まっていません。
「聞いたことはある」
「気にはなっている」
「でも、今すぐ買うほどではない」
このような状態です。
他の商品ではなく、なぜこれなのか
ここで伝えるべきなのは、商品の違いや選ぶ理由です。
他社と何が違うのか。どんな人に向いているのか。買うと何が変わるのか。今買う理由は何か。
コピー講座なら、たとえばこうです。
「なぜ、この講座は初心者でもLPを書けるようになるのか?」
「他のコピー講座と何が違うのか?」
「購入者が最初に変わるポイントとは?」
「ただ文章を学ぶのではなく、自分の商品を売れる形に整える講座です」
この読者は、商品の存在をすでに知っています。
そのため、必要なのは認知ではなく納得です。
3. 解決策を知っている人には、あなたの商品を紹介する
解決策を知っている人は、自分の悩みに対して、どんな方法があるかをある程度知っています。
たとえば、問い合わせを増やしたい人がいるとします。
その人は、ホームページ改善、SEO、広告、LP改善、CTA改善などが必要かもしれないと分かっています。
けれど、あなたの商品やサービスはまだ知りません。
解決策の中で、自分を選んでもらう
この段階では、「その解決策なら、なぜあなたの商品なのか」を伝える必要があります。
Web集客なら、次のような切り口が使えます。
「問い合わせを増やすには、デザインより先にコピー導線を見直すべき理由」
「SEO記事を書いても問い合わせが増えない時に、まず見るべき場所」
「ホームページ改善で最初に直すべきは、見た目より相談する理由です」
このような記事やコピーは、解決策を探している人に刺さります。
読者はすでに「何かを改善しなければ」と思っています。
そこで、あなたの切り口や方法を見せるのです。
以前書いた[アクセスはあるのに問い合わせが来ない時に見直す32のポイント]のような記事は、この段階の読者に向いています。問い合わせが来ない問題を感じている人に対して、どこを直せばいいのかを具体的に示しているからです。
4. 問題を知っている人には、原因を教える
問題を知っている人は、悩みはあります。
ただし、その原因や解決策までは分かっていません。
たとえば、こんな状態です。
「アクセスはあるのに問い合わせが来ない」
「商品には自信があるのに売れない」
「SNSを頑張っているのに申し込みにつながらない」
「便利な商品なのに、なぜか買ってもらえない」
悩みは感じています。
しかし、何を直せばいいのかが分かっていません。
問題の正体を言語化する
この段階では、いきなり商品を売るより、まず問題の正体を教えます。
「問い合わせが来ない原因は、アクセス数ではなく相談する理由が弱いことかもしれません」
「便利な商品が売れないのは、お客さんの信念に反しているからかもしれません」
「商品説明をしているのに売れないのは、読者の認知度とコピーがズレている可能性があります」
このように、読者がまだ言葉にできていない原因を示します。
すると、読者は「そういうことだったのか」と感じます。
ここで大切なのは、売り込みよりも教育です。
読者が自分の問題を正しく理解できるようにすることです。
この考え方は、[読者に「自分で気づいた」と思わせるコピーの作り方]にもつながります。読者は、売り手に押し切られるより、自分で問題に気づいた時の方が納得して行動しやすくなります。
5. まったく認知していない人には、気づかせる
まったく認知していない人は、そもそも問題に気づいていません。
悩みを悩みだと思っていない状態です。
この人に、いきなり商品説明をしても反応は取れません。
「そんなもの必要ない」
「自分には関係ない」
「今は困っていない」
こう思われて終わります。
常識を少しズラす切り口が必要
この段階の読者には、気づきを与える切り口が必要です。
たとえば、こうです。
「便利すぎる商品が、なぜ売れないことがあるのか?」
「安くしたのに売れない理由」
「良い商品なのに、名前を覚えられないだけで選ばれないことがある」
「アクセスを増やす前に、問い合わせる理由を作るべきかもしれません」
このような切り口は、読者の中にまだない視点を作ります。
すぐに商品購入にはつながらないかもしれません。
しかし、見込み客を教育する入口としては非常に強いです。
[ホットケーキミックスの記事]のように、「便利にすれば売れる」という思い込みを少しズラす記事は、まだ問題に気づいていない読者に向いています。読者が持っている常識に違和感を作り、新しい視点へ導けるからです。
認知度を間違えると、コピーはズレる
コピーが反応しない時、文章そのものを直そうとする人は多いです。
もちろん、文章の分かりやすさは大切です。
ただ、そもそも認知度がズレていると、どれだけ文章を整えても反応は弱くなります。
すでに欲しい人に教育しすぎない
すでに欲しい人に、長い問題提起をすると離脱されます。
「もう分かっているから、早く価格と申し込み方法を見せてほしい」と思われるからです。
この段階の人には、短く、分かりやすく、行動しやすくする必要があります。
まだ知らない人に商品説明しすぎない
反対に、問題に気づいていない人へ商品説明をしても響きません。
読者の中に必要性がないからです。
その場合は、商品ではなく問題を見せる必要があります。
「あなたが困っている原因は、実はここかもしれません」
この気づきがあって、初めて商品説明が読まれます。
商品認知度別のコピーの書き方
ここで、5段階を実際のコピーに落とし込んでみます。
最も認知している人向け
この人には、オファーを明確にします。
例文です。
「本日24時まで、特典付きで申し込めます」
「残り3名で募集終了します」
「購入はこちらから」
すでに欲しい人には、迷わせないことが大事です。
商品を知っている人向け
この人には、買う理由を伝えます。
例文です。
「なぜ、この講座は初心者でも自分の商品に使えるコピーが書けるのか?」
「他の講座と違い、あなたの商品に置き換えるワークまで行います」
「学んで終わりではなく、実際に売れる導線へ落とし込みます」
商品を知っている人には、違いと納得材料を見せます。
解決策を知っている人向け
この人には、解決策の中であなたを選ぶ理由を伝えます。
例文です。
「問い合わせを増やすには、デザインより先にコピー導線を見直す必要があります」
「SEO記事を書いても問い合わせが増えない理由は、記事から相談への導線が切れているからかもしれません」
「ホームページ改善は、見た目より先に“相談する理由”を作ることが重要です」
この段階では、あなたの考え方や方法論を見せることが大切です。
問題を知っている人向け
この人には、悩みの原因を教えます。
例文です。
「アクセスはあるのに問い合わせが来ないのは、CTAの位置ではなく、相談する理由が弱いからかもしれません」
「商品には自信があるのに売れない場合、価格ではなく見せ方がズレている可能性があります」
「お客さんが買わないのは、必要ないからではなく、今必要だと感じていないからかもしれません」
問題を知っている人には、原因の言語化が刺さります。
まったく認知していない人向け
この人には、常識をズラす切り口が必要です。
例文です。
「便利すぎる商品が、なぜ売れないことがあるのか?」
「安くしても売れない商品と、高くても選ばれる商品の違い」
「良い商品なのに、名前を覚えられないだけで選ばれないことがあります」
この段階では、いきなり売らずに興味を作ります。
ブログ記事では、4番と5番を狙うと強い
ブログ記事を書くなら、狙いやすいのは4番と5番です。
つまり、問題を知っている人か、まだ問題に気づいていない人です。
なぜなら、ブログは検索やSNSから来る読者が多く、いきなり商品を買う段階ではないことが多いからです。
読者を教育する記事が資産になる
問題認知や無認知の読者に向けた記事は、すぐに売上にはつながらないかもしれません。
ただし、読者を教育する資産になります。
問い合わせが来ない原因を知る。便利なのに売れない理由に気づく。商品名の重要性を理解する。さらに、今問い合わせる必要性まで見えてくる。
こうした記事を積み上げることで、読者は少しずつ認知度を上げていきます。
最初は問題に気づく。次に原因を理解する。そこから解決策を知り、あなたの商品を知る。最後に、申し込みを検討する。
この流れを作るのが、コンテンツマーケティングの役割です。
あなたのビジネスにどう応用するか?
まず、自分の見込み客がどの認知度にいるのかを考えてみてください。
すでに商品を知っている人なのか。解決策を探している人なのか。悩みだけある人なのか。そもそも問題に気づいていない人なのか。
ここを決めずにコピーを書くと、文章がぼやけます。
1記事1認知度で書く
ブログ記事を書く時は、1記事で全部の認知度を狙わない方がいいです。
商品を知っている人向けの記事。問題を知っている人向けの記事。まったく気づいていない人向けの記事。
このように分けた方が、メッセージが鋭くなります。
たとえば、「問い合わせを増やす方法」という記事は、問題を知っている人向けです。
一方で、「何を売っている会社か分からないホームページは、なぜ問い合わせが来ないのか?」という記事は、まだ原因に気づいていない人向けになります。
商品ページは、認知度が高い人向けにする
販売ページや問い合わせページでは、読者の認知度がある程度上がっている前提で書きます。
もちろん、最低限の問題提起は必要です。
ただし、ブログ記事のように長く教育しすぎると、すでに検討している人には冗長になります。
商品ページでは、選ぶ理由、実績、料金、流れ、よくある質問、申し込み方法を分かりやすく整理することが大切です。
メルマガやステップメールで認知度を上げる
認知度が低い読者には、ステップメールが向いています。
1通目で問題に気づかせる。2通目で原因を教える。3通目で解決策を見せる。4通目で事例を見せる。5通目で商品を紹介する。
このように順番を作ると、読者は無理なく理解できます。
売れるコピーは、いきなり商品を売りません。
読者の認知度に合わせて、必要な言葉を必要な順番で届けます。
商品認知度を理解すると、コピーの書き方はかなり変わります。
まだ問題に気づいていない人には、気づきを。
問題だけ分かっている人には、原因を。
解決策を探している人には、あなたを選ぶ理由を。
商品を知っている人には、買う理由を。
すでに欲しい人には、行動する理由を。
この順番を間違えないことが、売れるコピーの土台になります。
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