経営難に陥った旅館が、新しい収益源を探すとします。
多くの場合、客室を改装する、新しい宿泊プランを作る、料理を充実させるといった方法を考えるでしょう。いずれも、旅館の売上を伸ばすための自然な選択です。
ところが、神奈川県秦野市の鶴巻温泉にある「元湯 陣屋」は、別の収益源を作りました。
自社の経営を立て直すために開発したシステムを、全国の旅館やホテルへ販売したのです。
そのサービスが、クラウド型の宿泊施設管理システム「陣屋コネクト」です。
現在の公式サイトによると、予約、顧客、会計、在庫、スタッフなどの情報を一体で管理できます。導入先は全国630施設以上へ広がりました。
ただし、最初からIT事業を始める計画があったわけではありません。
出発点にあったのは、倒産寸前まで追い込まれた旅館の経営問題でした。
- 陣屋はどのような旅館なのか?
- 約10億円の借金を抱え、廃業の危機に直面した
- 旅館に多かった「紙と口頭」の問題
- なぜ既製システムではなく、自社開発へ進んだのか?
- 陣屋コネクトは何を一元化したのか?
- IT化だけで旅館が再建したわけではない
- なぜ自社用システムを外部へ販売したのか?
- SaaS化によって収益構造はどう変わるのか?
- 2012年の外販開始から全国630施設以上へ
- 陣屋コネクトが模倣されにくい理由
- この事例を「何でもSaaS化できる」と考える危険
- コピーライティングの視点で見る陣屋コネクト
- あなたのビジネスにどう応用するか?
- 自社が何度も解決している問題を探す
- 社内ツールをそのまま売らない
- 最初はサービスとして提供する
- 本業を実証の場にする
- 継続課金に継続価値を用意する
- 陣屋に学ぶべき本当のこと
陣屋はどのような旅館なのか?
元湯 陣屋は、1918年に創業した老舗旅館です。
将棋や囲碁の対局会場としても知られ、歴史ある建物と広い庭園を備えています。現在も旅館事業を続けており、陣屋グループの原点となる施設です。
つまり、陣屋は旅館業をやめ、完全なIT企業へ転換したわけではありません。
現在は旅館運営に加え、DX・IT、経営支援、地域観光などの事業を展開しています。本業で得た知識を使い、事業領域を広げたと捉える方が正確です。
この点は、記事の前提として重要です。
「古い事業を捨てて、成長市場へ移った」という話ではありません。旅館経営を続けながら、そこで蓄積したノウハウを別商品へ変えています。
約10億円の借金を抱え、廃業の危機に直面した
陣屋の経営が厳しくなったのは、2008年から2009年頃です。
リーマンショックの影響に加え、当時の経営者が亡くなる出来事も重なりました。2009年に経営を引き継いだ時点では、約10億円の借金を抱え、半年後の倒産も視野に入る状況だったと報じられています。
金額の大きさだけを見れば、集客不足が原因に思えるかもしれません。
しかし、経営を圧迫していた問題は、売上だけではありませんでした。
旅館内の業務が紙や口頭に依存し、情報が分散していたためです。予約、顧客情報、料理、清掃、会計などがつながらず、確認や転記に多くの時間を使っていました。
その結果、忙しいのに利益が残りません。
スタッフが懸命に働いても、情報伝達のミスや二重作業が発生します。経営判断に必要な数字も、すぐには把握できない状態でした。
旅館に多かった「紙と口頭」の問題
宿泊業では、一組のお客様に多くの部門が関わります。
予約担当者が受け取った情報は、フロント、客室、調理場、接客担当へ伝えなければなりません。さらに、アレルギーや食事の好み、記念日、過去の宿泊履歴も重要です。
情報を何度も書き写していた
陣屋では、手書きの予約台帳から毎日の予定表を作っていました。
その後、翌日の予約情報を別の台帳へ転記し、コピーをスタッフへ配布します。内容に変更があれば、複数の担当者へ改めて伝える必要がありました。
紙の管理には、分かりやすい利点もあります。
操作を覚えなくても使えますし、目の前に置けば一覧できます。ただし、変更が増えると情報の食い違いが起きやすくなります。
どの紙が最新なのか分からない。担当者しか経緯を知らない。過去の情報を探すだけで時間がかかる。
こうした問題が積み重なり、生産性を下げていました。
ベテランの記憶に接客品質が依存していた
旅館の接客では、お客様の好みを覚えているスタッフが強みになります。
しかし、その情報が個人の記憶にしか残っていなければ、担当者が休んだ時に再現できません。また、退職すると知識まで失われます。
陣屋が必要としていたのは、単なる予約表の電子化ではありませんでした。
誰が担当しても、過去の情報を確認できる仕組みです。そのため、顧客情報と予約情報を結びつける必要がありました。
なぜ既製システムではなく、自社開発へ進んだのか?
経営改善のためにITを使うなら、既存の宿泊管理システムを購入する方法があります。
自社開発より早く導入でき、開発費も抑えやすいでしょう。それでも陣屋は、自分たちの業務に必要なシステムを作る道を選びました。
公式サイトは、陣屋コネクトを「旅館経営者自らが開発した」システムと説明しています。全国の宿泊現場や経営者の声を取り入れ、実務に合わせて機能を広げてきました。
旅館には独特の管理項目がある
旅館の予約管理は、客室の空きだけでは終わりません。
宿泊、日帰り、宴会、婚礼などが同じ施設内で動く場合があります。加えて、食事内容、アレルギー、部屋の好み、送迎なども管理しなければなりません。
既製システムが自社の運用へ合わなければ、スタッフは別の表や紙を併用します。
すると、システムを入れた後も二重入力が残ります。業務を効率化するはずのITが、別の手間を増やしかねません。
そこで陣屋は、実際の旅館運営を基準に機能を組み立てました。
現場を知る人が、必要な機能を決めた
陣屋コネクトの強みは、開発会社だけで作った製品ではない点にあります。
旅館の経営者やスタッフが、どの情報を、いつ、誰が必要とするかを知っています。現場で試し、使いにくい部分を直せる環境もありました。
マーケティングの視点では、陣屋そのものが最初のユーザーです。
自社で毎日使用するため、機能の問題を早く見つけられます。さらに、導入後の効果も、自分たちの経営数字や接客現場で確かめられました。
陣屋コネクトは何を一元化したのか?
陣屋コネクトは、宿泊施設の複数業務をクラウド上でつなぐシステムです。
現在の公式情報では、予約、顧客、会計、在庫、スタッフ管理などを一体化しています。さらに、予約エンジン、チェックイン、モバイルオーダー、IoT連携などへ機能が広がりました。
予約情報を全スタッフで共有する
予約が入ると、宿泊日や人数だけでなく、顧客情報とも結びつきます。
スタッフは同じ情報へアクセスできるため、紙を配り直す必要が減ります。また、変更が入った場合も、最新情報を確認しやすくなります。
そのため、伝達漏れや転記ミスを防ぎやすくなりました。
業務効率だけでなく、お客様への案内精度も高まります。
顧客カルテを「おもてなし」に使う
過去の宿泊時に、どの料理を好んだのか。アレルギーはあるのか。部屋や接客にどのような希望があったのか。
こうした内容を顧客情報として残せば、次回の宿泊前に確認できます。
公式の導入事例では、顧客カルテを使うことで、受け身の接客から先回りした接客へ変化したと説明されています。
つまり、ITは人間的な接客を減らすためだけに使われていません。
情報を探す作業を減らし、人にしかできない対応へ時間を使うために導入されました。
経営数字を見えるようにする
予約情報を集約すれば、今後の売上予測も立てやすくなります。
さらに、会計ソフトと連携することで、月々の集計や財務資料の作成を効率化できます。
経営危機にある企業ほど、数字を早く把握する必要があります。
月末まで結果が分からなければ、価格や人員配置の変更が遅れます。リアルタイムに近い形で状況を確認できれば、改善策を早く実行できます。
IT化だけで旅館が再建したわけではない
陣屋の再建を、システム導入だけの成果として説明するのは正確ではありません。
同社は、宿泊価格、営業日、サービス内容、人員配置なども見直しています。さらに、休館日を設け、スタッフのマルチタスク化も進めました。
高付加価値型の旅館へ変えた
客数を増やすだけでは、忙しさも増えます。
そこで、サービス品質を高めながら、適正な価格で販売する方向へ進みました。限られた客室数でも利益を残せる経営を目指したのです。
この改革を支えたのが、顧客情報と経営情報の一元化でした。
お客様ごとの要望を共有できれば、少人数でも接客品質を保ちやすくなります。また、売上や予約の状況が見えれば、無理な安売りも避けられます。
休館日はコスト削減だけが目的ではなかった
陣屋は後に、週3日の休館を取り入れました。
営業日を減らすと、売上まで下がりそうです。しかし、需要を営業日に集めれば、人員と準備を集中できます。
さらに、設備の維持管理や研修にも時間を使えます。
公式サイトでは、週3日の休館後も売上高が伸びた事例として紹介されています。
ここから分かるのは、DXが経営戦略と一体になっていたことです。
古い業務をそのままデジタルへ移すだけでなく、働き方と提供価値まで見直しました。
なぜ自社用システムを外部へ販売したのか?
社内システムが便利でも、外部へ販売できるとは限りません。
自社固有の運用に合わせすぎると、ほかの企業では使えないからです。さらに、販売、導入支援、問い合わせ対応も必要になります。
それでも陣屋が外販へ進めたのは、自社の問題が業界全体にも存在していたためです。
旅館やホテルでは、人手不足、紙管理、属人化、予約情報の分散といった課題が珍しくありません。陣屋グループも、これらを宿泊業界の構造的な問題として挙げています。
自社で成果が出たことが、強い営業材料になった
IT企業が「旅館の業務を効率化できます」と言っても、現場は不安を感じます。
旅館特有の業務を本当に理解しているのか。導入後に接客品質が落ちないか。スタッフが使いこなせるのか。
陣屋には、自社旅館で使っているという実績がありました。
さらに、経営危機から再建した過程もあります。
同じ問題で悩む経営者にとって、単なる機能説明より説得力があります。開発者自身が、システムの利用者でもあるからです。
自社旅館をショールームにできた
ソフトウェアは、画面だけを見ても価値を理解しにくい商品です。
そこで、実際に運営している陣屋を見てもらえば、予約情報の共有や接客での活用方法を確認できます。
つまり、旅館事業がシステム事業の実演場所になります。
一方、システムの導入先から得た声は、旅館経営にも役立ちます。
二つの事業が別々に存在するのではなく、互いに知識を増やす関係になりました。
SaaS化によって収益構造はどう変わるのか?
旅館の売上には、物理的な上限があります。
客室数以上のお客様を、同じ日に宿泊させることはできません。稼働率を高めても、建物の広さが上限になります。
一方、クラウドサービスは、導入施設を増やせます。
同じシステムを基盤として提供できるため、一つの旅館より広い市場へ販売できます。
売り切りではなく継続収益を作れる
陣屋コネクトには、月額固定費用を含む料金体系が用意されています。過去の公式掲載情報でも、初期費用に加え、ライセンスやサポートの月額料金が示されていました。
この形式では、導入時の売上だけで終わりません。
利用が続く限り、月額収益が積み上がります。したがって、宿泊売上が季節や客室数に左右される中で、別の収益柱を作りやすくなります。
ただし、継続課金には継続的な責任も伴います。
システムの更新、障害対応、セキュリティ、問い合わせ対応を続けなければなりません。売り切りの商品より、長い顧客関係が必要です。
現場知識そのものを拡張できる
一つの旅館で働けるスタッフ数には限りがあります。
しかし、旅館運営のノウハウをシステムへ組み込めば、複数施設へ届けられます。
陣屋が販売したのは、プログラムだけではありません。
予約の扱い方、顧客情報の残し方、部門間で共有すべき内容など、旅館経営の考え方も商品へ含まれています。
2012年の外販開始から全国630施設以上へ
陣屋コネクトの外販は、2012年に始まりました。
2018年時点では、外販事業の年商が約2億円まで成長したと報じられています。
その後も導入施設は増えました。
公式サイトでは2024年時点で全国600施設以上、現在のグループ概要では630施設以上とされています。数室規模の施設からホテルチェーンまで、幅広く利用されています。
また、対象機能も予約管理だけに限りません。
チェックイン、鍵の受け渡し、モバイルオーダー、会計、IoT機器との連携など、宿泊体験全体へ広がっています。
この成長から分かるのは、自社の問題が一社だけの特殊事情ではなかったことです。
旅館業界が抱える共通課題へ対応していたため、外部にも需要がありました。
陣屋コネクトが模倣されにくい理由
クラウド型の予約管理システムは、陣屋コネクトだけではありません。
大手IT企業や専門ベンダーも参入しています。そのため、システム機能だけで比べれば、競争は激しくなります。
それでも陣屋には、旅館を自ら経営してきた経験があります。
現場と開発の距離が近い
新しい機能を考える時、陣屋は自社旅館で課題を確認できます。
たとえば、調理場へどの情報を、どの順番で表示すべきか。清掃担当者は、どの端末で情報を見るのか。
現場が近ければ、机上の想像だけで機能を作らずに済みます。
さらに、導入施設から寄せられた意見も、自社で検証できます。
この改善循環が、一般的なソフトウェア会社との差になり得ます。
導入後の業務改革まで支援できる
システムを入れても、古い仕事の進め方が残れば効果は限定されます。
紙台帳とシステムを併用すると、二重管理になります。また、一部のスタッフだけが使えば、情報共有も進みません。
陣屋グループは、IT導入に加え、マルチタスク化や経営改善の支援も行っています。
つまり、道具の販売だけでなく、業務の変え方まで提供しています。
現場で改革に苦労した経験が、支援サービスの土台になっているのです。
この事例を「何でもSaaS化できる」と考える危険
陣屋の成功を見ると、社内で使っているツールを外販したくなります。
しかし、自社で便利だからといって、他社が料金を払うとは限りません。
特殊すぎる仕組みは外販できない
一社だけの運用に合わせたツールは、ほかの会社で使えない場合があります。
担当者名や自社独自のルールが機能へ埋め込まれていると、標準化が難しくなります。
外販するなら、自社固有の部分と、業界共通の部分を分けなければなりません。
陣屋コネクトも、全国の宿泊施設の声を取り入れながら、幅広い施設へ対応する形に発展しました。
システム開発以外の仕事も増える
ソフトウェア事業には、営業、契約、導入設定、研修、サポートが必要です。
さらに、個人情報を扱う場合は、セキュリティと法令対応も欠かせません。
自社だけで使う時には許容できた不具合も、顧客へ販売すれば信用問題になります。
月額収益が魅力的でも、運営コストを過小評価すると利益は残りません。
本業が成功していることも重要になる
自社の課題を解決できていない段階で、他社へ方法を売るのは難しいでしょう。
陣屋の場合は、自社旅館で改善を続け、経営再建の実績を作りました。
その結果が、商品への信頼につながっています。
まず自社で使い、効果を確かめる。その後、少数の企業へ提供し、共通化できる部分を見つける順番が現実的です。
コピーライティングの視点で見る陣屋コネクト
「宿泊施設向け顧客・予約管理システム」という説明だけでは、競合との差が見えにくくなります。
一方、「倒産危機の旅館を立て直す過程から生まれたシステム」と伝えると、背景に具体性が加わります。
さらに、旅館経営者が自ら開発したという事実も、強い信頼材料です。
誰が作ったかが価値になる
ソフトウェアの機能は、競合に追いつかれる可能性があります。
しかし、開発に至った経験はコピーできません。
約10億円の借金、紙台帳の問題、情報共有の失敗、働き方改革。これらを経験した企業が作ったシステムだからこそ、同業者の悩みを理解していると伝えられます。
つまり、陣屋コネクトの物語は、会社紹介にとどまりません。
「なぜ、この会社から買うのか」を説明するセールスコピーとして機能します。
機能ではなく変化を見せる
顧客管理、予約管理、会計連携という機能だけを並べても、導入後の姿は想像しにくいでしょう。
そこで、紙を転記する時間が減る、最新情報を全員で見られる、顧客の好みを接客へ生かせると伝えます。
機能を、仕事上の変化へ翻訳するのです。
BtoB商品のコピーでは、「何ができるか」だけでなく、「現場がどう変わるか」まで示す必要があります。
あなたのビジネスにどう応用するか?
陣屋と同じ規模のシステムを開発する必要はありません。
注目したいのは、本業の問題解決を別の商品へ変える考え方です。
自社が何度も解決している問題を探す
最初に、社内で繰り返している作業を確認します。
毎回同じ手順で資料を作っていないか。新人教育で同じ説明をしていないか。顧客ごとに同じ診断を繰り返していないか。
こうした作業には、標準化できる可能性があります。
ただし、単に面倒な作業を選ぶだけでは足りません。
他社も同じ悩みを抱え、お金を払って解決したいかどうかが重要です。
社内ツールをそのまま売らない
自社用の表計算シートは、作った本人なら使えます。
ところが、他社では項目名が分からず、説明書もありません。また、入力を間違えた時の対応も必要です。
外販する前に、誰でも使える形へ整えます。
入力項目を減らし、手順を標準化します。さらに、導入支援と問い合わせ対応も設計してください。
最初はサービスとして提供する
いきなり大規模なシステムを作ると、開発費が膨らみます。
そこで、最初は人が対応するサービスとして販売する方法があります。
たとえば、社内で使っている診断表を使い、コンサルティングとして提供します。複数社へ提供すると、共通する作業と個別対応が見えてきます。
その後、共通部分だけをツールへ変えれば、不要な機能の開発を避けやすくなります。
本業を実証の場にする
自社で使っている仕組みなら、具体的な導入事例を作れます。
導入前に何時間かかっていたのか。ミスはどの程度減ったのか。売上や利益へどのような影響があったのか。
数字で示せれば、営業の説得力が高まります。
ただし、都合の良い結果だけを切り取らないようにします。導入までの期間や、社員教育にかかった負担も伝える方が信頼されます。
継続課金に継続価値を用意する
月額制にすれば、安定収益が得られるように見えます。
しかし、顧客が毎月価値を感じなければ解約されます。
定期的な更新、データ保管、サポート、改善情報など、継続する理由が必要です。
一回作って放置できる収益モデルではありません。顧客の成功を継続して支える事業だと考える必要があります。
陣屋に学ぶべき本当のこと
陣屋は、旅館経営に見切りをつけ、流行のSaaSへ乗り換えた会社ではありません。
約10億円の借金を抱えた経営危機の中で、紙と口頭に依存した業務を見直しました。さらに、予約、顧客、会計、在庫などをつなぐ仕組みを自社で開発しています。
その仕組みを使い、サービス品質と生産性を同時に改善しました。
ただし、再建はITだけで達成したものではありません。価格、営業日、働き方、接客方法まで含めて経営を組み直しています。
やがて、自社を救った仕組みが、同じ悩みを持つ宿泊施設から求められました。
そこで、社内ツールを「陣屋コネクト」として標準化し、外部へ提供します。現在は全国630施設以上へ導入され、旅館運営とは別の事業領域へ成長しました。
新規事業を考える時、まったく知らない市場へ飛び込む必要はありません。
自社が深く困り、長い時間をかけて解決した問題には、経験と知識が蓄積されています。その問題が業界共通なら、解決方法そのものを商品にできる可能性があります。
陣屋がソフトウェアへ変えたのは、予約台帳だけではありません。
旅館を立て直す過程で得た、現場と経営の知識です。
本業で最も苦しんだ場所に、次の事業の種が隠れている。
陣屋コネクトは、その可能性を示す事例です。
参考記事:
クラウド旅館・ホテル向けシステム「陣屋コネクト」|J-Net21


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