なぜ、コストコは商品ではなく年会費で儲かるのか?

コストコ 年会費 ビジネスモデル|商品ではなく会員制で儲かる理由 マーケティング事例

コストコの年会費ビジネスモデルで面白いのは、商品を売る前に「買い物する権利」を売っているところです。コストコは安く買える大型スーパーというイメージがありますが、実は利益構造を見ると、年会費がとても重要な役割を持っています。

Costcoの2024年アニュアルレポートでは、会員収入は48億ドル、会員数は約1億3700万人、会員更新率は米国・カナダで92.9%、世界全体で90.5%とされています。つまり、コストコは一度会員になった人が高い確率で継続する仕組みを持っているわけです。

普通のお店なら、商品を売って利益を出します。

でもコストコは少し違います。

商品で大きく儲ける前に、まず年会費を払ってもらう。そして、年会費を払った人に「せっかく会員になったから、また行こう」と思わせる。

ここに、コストコの強さがあります。

コストコは「安く買える権利」を売っている

コストコの商品は、大容量で安いものが多いです。

肉、パン、チーズ、洗剤、トイレットペーパー、冷凍食品。普通のスーパーでは見ないサイズの商品が並び、まとめ買いをするほどお得に感じられます。

でも、誰でも自由に買えるわけではありません。

コストコで買い物をするには、基本的に会員になる必要があります。米国では2024年9月からGold Star会員などの年会費が65ドル、Executive会員が130ドルに引き上げられています。

ここが面白いところです。

普通なら「商品を買ってください」と言います。

でもコストコは、その前に「買い物するための会員になってください」と言う。

つまり、商品そのものではなく、安く買える場所に入る権利を売っているのです。

これはかなり強いビジネスモデルです。

なぜなら、年会費を払った瞬間に、お客さんの中に「元を取りたい」という気持ちが生まれるからです。

年会費を払うと、人は元を取りたくなる

人は、先にお金を払うと、その分を回収したくなります。

コストコの会員になった人は、こう考えます。

せっかく年会費を払ったから、何回か行かないともったいない。

せっかく行くなら、まとめ買いしよう。

せっかく安いなら、普段より多めに買っておこう。

この「せっかく」が、リピートを生みます。

普通のスーパーなら、行くかどうかは毎回自由です。でもコストコの場合、すでに年会費を払っています。だから、行かないと損をしたような気分になります。

つまり、コストコは年会費によって、来店理由を先に作っているのです。

商品を売ってから終わりではありません。

年会費を払ってもらうことで、また来る理由、まとめ買いする理由、継続する理由を作っています。

ここが、コストコの年会費ビジネスモデルの強さです。

商品の安さが、会員継続の理由になる

コストコは、年会費だけで成り立っているわけではありません。

商品も売ります。

ただし、商品には別の役割があります。

それは、会員でいる理由を作ることです。

「この量でこの価格なら安い」

「この商品はコストコでしか買えない」

「家族でまとめ買いするなら助かる」

「年会費を払っても、十分に得している気がする」

こう感じるから、会員は継続します。

Costco公式の2024年度発表でも、純売上高は2496億ドル、会員収入は48億ドルとされています。売上全体で見れば商品販売のほうが圧倒的に大きいですが、会員収入は安定した利益構造を支える重要な柱です。

つまり、商品は単に売上を作るだけではありません。

年会費を払い続ける納得感を作っているのです。

安い商品があるから、会員でいる意味がある。

会員でいるから、また買いに行く。

また買いに行くから、さらにコストコを使う理由が増える。

この循環が強いのです。

コストコは買い物をイベントにしている

コストコは、ただ日用品を買う場所ではありません。

多くの人にとって、少しイベント感があります。

大きなカートを押す。

巨大な商品棚を見る。

見たことのない大容量商品を見つける。

試食をする。

フードコートでホットドッグやピザを食べる。

普通のスーパーで買い物をする感覚とは少し違います。

この体験があるから、「また行きたい」と思いやすい。

コストコは、安く買えるだけの場所ではなく、行くこと自体がちょっと楽しい場所になっています。

ここも大事です。

年会費を払ってもらうには、ただ安いだけでは弱い。会員でいることに、楽しさや特別感が必要です。

コストコは、買い物をイベント化することで、年会費を「損」ではなく「入場券」のように感じさせています。

これは、コンビニが入口近くに雑誌を置いていた理由ともつながります。コンビニの雑誌コーナーは、商品棚であると同時に、人が入りやすい空気を作る装置でもありました。コストコも同じように、商品そのものだけでなく、店に行きたくなる理由や空気を作っているのです。

コストコは「買う前」に関係を作っている

普通の小売店は、お客さんが商品を買った瞬間に売上が発生します。

でもコストコは、商品を買う前に年会費を受け取ります。

ここが大きな違いです。

商品を買う前に、会員になる。

会員になったから、店に行く。

店に行くから、商品を買う。

商品を買って満足するから、会員を続ける。

この順番です。

つまりコストコは、最初にお客さんとの関係を作っています。

「あなたは会員です」

この状態を先に作るから、その後の買い物が継続しやすくなる。

これは、スーパーが牛乳を店の奥に置く理由にも似ています。スーパーは牛乳を取りに行く途中で他の商品と出会わせる導線を作り、コストコは年会費によってリピートの導線を作っています。どちらも、目の前の商品だけではなく、その後の買い物行動まで設計しているのです。

売れる導線は、商品以外の理由を作る

コストコの強さは、商品だけに頼っていないところです。

もちろん、安さや大容量の商品は大きな魅力です。

でも、それだけなら他のスーパーやネット通販と比べられて終わります。

コストコはそこに、会員制という仕組みを加えました。

会員になったから行く。

行くと楽しい。

行くと得をした気がする。

得をした気がするから継続する。

この導線があるから、ただの安売り店ではなく、会員が何度も通う場所になります。

これは、ミシュランがレストランガイドでタイヤを売った理由とも考え方が近いです。ミシュランはタイヤを直接売るのではなく、車で出かける理由を作りました。コストコは商品を直接売る前に、会員として通う理由を作っています。

この事例から分かること

コストコの年会費ビジネスモデルから分かるのは、売上は商品単体だけで考えないほうがいいということです。

コストコは、ただ商品を安く売っているだけではありません。

先に年会費を払ってもらう。

会員になった人に、元を取りたいと思ってもらう。

安い商品や大容量商品で、会員でいる納得感を作る。

買い物そのものをイベントにする。

そして、また来る理由を作る。

この流れがあるから、コストコは強いのです。

これは、どんなビジネスにも応用できます。

いきなり商品を売るのではなく、先に関係性を作る。

一回買って終わりではなく、また戻ってくる理由を作る。

商品そのものだけではなく、継続する仕組みまで設計する。

売れる導線とは、目の前の商品を売るだけではありません。

お客さんが何度も戻ってきたくなる理由を作ることです。

コストコは、商品ではなく年会費で儲かると言われます。

でも本質は、年会費そのものではありません。

年会費を払った人が、何度も来店し、まとめ買いし、継続したくなる仕組みを作っていること。

そこに、コストコのマーケティングの強さがあるのです。

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この記事を書いた人

   

セールスコピーライター てらじまたくろう

高額でも御社の商品を買いたい人を特定し、集め、高値で販売し、売上に貢献するセールスコピーライター。LP、ステップメール、セールスレター、説明会台本、AI集客動画まで、売れる導線を一気通貫で設計。このブログでは、実際に売れた商品や広告を題材に、「なぜ売れたのか?」をマーケティング視点で解説しています。

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