なぜ、コンビニは入口近くに雑誌を置いていたのか?

コンビニが入口近くに雑誌を置いていた理由を、立ち読み、にぎわい演出、店内導線のマーケティング視点で解説します。 マーケティング事例

コンビニの入口近くに、昔はよく雑誌コーナーがありました。しかも、外から見えるガラス側に置かれていることも多かったはずです。普通に考えれば、雑誌は店の奥に置いてもよさそうです。それなのに、なぜ入口近くに置かれていたのでしょうか。

理由は、雑誌を売るためだけではありません。

入口近くで人が立ち読みしていると、外から見たときに「この店には人がいる」と分かります。すると、店内に入りやすくなる。つまり雑誌コーナーは、商品棚であると同時に、店のにぎわいを見せる装置でもあったのです。

コンビニは雑誌で「人がいる店」を作っていた

人は、誰もいない店に入るとき、少しだけ緊張します。

本当に営業しているのか。入りにくい雰囲気ではないか。店員さんに見られそうで気まずくないか。ほんの小さなことですが、店に入る前にはこうした心理が働きます。

一方で、すでに人がいる店は入りやすい。

誰かが立ち読みしている。誰かが商品を見ている。レジに人が並んでいる。そういう様子が見えるだけで、「自分も入っていい場所」に感じられます。

コンビニの入口近くに雑誌コーナーがあった理由のひとつは、ここにあります。

雑誌を読む人が入口付近にいることで、店の外から見ても人の気配が分かる。すると、その店は少し入りやすくなる。

これは、ただ商品を並べているだけではなく、店の印象を作っているのです。

立ち読みは、店のにぎわいを見せる広告だった

立ち読みという行動は、店にとって必ずしも直接売上になるとは限りません。

雑誌を読んでも買わない人もいます。店側からすれば、ただ場所を使われているだけに見えるかもしれません。

でも、マーケティング視点で見ると、立ち読みには別の役割があります。

それは、にぎわいを外に見せることです。

外から見たときに、店内に人がいる。雑誌を読んでいる人がいる。商品棚の前に人が立っている。これだけで、店は少し活気があるように見えます。

人がいる場所には、人が入りやすい。

これは飲食店でも同じです。まったく誰もいない店より、少しお客さんが入っている店のほうが安心します。行列がある店を見ると、「人気なのかな」と気になることもあります。

コンビニの雑誌コーナーも、それに近い役割を果たしていました。

雑誌を読む人そのものが、店のにぎわいを伝える広告になっていたのです。

入口近くに人がいると、ついで買いが生まれる

コンビニに入るきっかけは、いつも大きな目的があるとは限りません。

飲み物を買う。おにぎりを買う。ATMを使う。トイレを借りる。コピーを取る。雑誌を見る。

最初の目的はひとつでも、店に入ると別の商品が目に入ります。

飲み物だけのつもりが、お菓子も買う。雑誌を見るだけのつもりが、コーヒーを買う。コピーを取るだけのつもりが、レジ前の商品を買う。

この「ついで買い」が、コンビニではとても重要です。

入口近くに雑誌があることで、まず店に入る理由ができます。そして、店に入れば他の商品と出会います。

これは、スーパーが牛乳を店の奥に置く理由ともつながります。スーパーは牛乳を取りに行く途中で、他の商品に出会わせます。コンビニは雑誌を入口近くに置くことで、店に入るきっかけと、にぎわいの見え方を作っていたのです。

内部リンク:
スーパーが牛乳を店の奥に置く理由

雑誌は「目的買い」と「暇つぶし」の両方を作れる

雑誌コーナーが強かったのは、目的買いにも暇つぶしにも対応できたことです。

新刊の漫画雑誌を買いに来る人もいる。週刊誌をチェックする人もいる。ファッション誌を見る人もいる。仕事帰りに少しだけ立ち読みする人もいる。

つまり、雑誌はコンビニに来る理由になりやすい商品でした。

今ではスマホでニュースも漫画も読めるようになり、雑誌コーナーの役割は昔より小さくなっています。それでも、当時の雑誌売り場には大きな意味がありました。

商品を売るだけではなく、店に立ち寄るきっかけを作る。

人が入口付近にいる状態を作る。

外から見たときに、店を入りやすく見せる。

こう考えると、雑誌コーナーはただの本棚ではありません。

集客の入口だったのです。

店内導線は、売り込みより自然に人を動かす

コンビニの雑誌コーナーが面白いのは、強く売り込んでいないところです。

「今すぐ入ってください」と言うわけではありません。「この雑誌を買ってください」と叫ぶわけでもありません。ただ、入口近くに雑誌があり、そこに人がいる。

それだけで、店の入りやすさが変わります。

これは店内導線の面白いところです。

人は、売り込まれると警戒します。でも、自然な流れの中で商品と出会うと、警戒心が下がります。

IKEAが店内を歩かせながら暮らしのイメージを見せるのも同じです。商品をいきなり売り込むのではなく、歩く中で「これもいいな」と思わせる。コンビニも、雑誌を入口近くに置くことで、店に入るきっかけと、ついで買いの流れを作っていました。

内部リンク:
IKEAが店内をわざと遠回りさせる理由

この事例から分かること

コンビニが入口近くに雑誌を置いていた理由から分かるのは、商品棚には「売る」以外の役割もあるということです。

雑誌コーナーは、雑誌を売るためだけの場所ではありませんでした。

人がいる店に見せる。

外から入りやすくする。

店に立ち寄る理由を作る。

入店後のついで買いにつなげる。

こうした役割を持っていました。

これは、ブログやLP、メルマガ、説明会にも通じます。

いきなり商品を売るのではなく、まず入り口を作る。読者が立ち止まりたくなる場所を作る。安心して中に入れる雰囲気を作る。そのうえで、自然に次の商品やサービスへ進んでもらう。

売れる導線とは、ただ商品を並べることではありません。

人が入りやすくなり、興味を持ち、自然に次へ進みたくなる流れを作ることです。

コンビニの雑誌コーナーは、まさにその入口でした。

売れる商品には、必ず理由があります。そしてその理由は、商品そのものだけでなく、お客さんが店に入りたくなる空気をどう作っているかにも隠されています。

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この記事を書いた人

   

セールスコピーライター てらじまたくろう

高額でも御社の商品を買いたい人を特定し、集め、高値で販売し、売上に貢献するセールスコピーライター。LP、ステップメール、セールスレター、説明会台本、AI集客動画まで、売れる導線を一気通貫で設計。このブログでは、実際に売れた商品や広告を題材に、「なぜ売れたのか?」をマーケティング視点で解説しています。

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