セールスコピーを書いていると、つい「何を伝えるか」ばかり考えてしまいます。
商品の特徴。価格。特典。実績。お客様の声。保証。どれも大切です。
ただ、どれだけ良い内容を書いていても、読者が途中で読むのをやめてしまえば意味がありません。
セールスライターの最初の仕事は、商品説明をすることではありません。
まず、読んでもらうことです。
そして、読み進めるほどに読者の欲求が強くなり、信頼が高まり、最後には「これは自分に必要かもしれない」と思ってもらう必要があります。
ここで重要になるのが、ユージン・シュワルツの「勢いづけ」という考え方です。
セールスライターの仕事は、まず読んでもらうこと
多くのコピーは、最初から商品を説明しようとします。
「この商品はすごいです」
「このサービスにはこんな特徴があります」
「今なら特典がついています」
もちろん、商品説明は必要です。
けれど、読者の欲求がまだ高まっていない段階でいきなり説明しても、なかなか読まれません。
読者は、売り手ほど商品に興味を持っていないからです。
読者は、途中で何度も止まりそうになる
セールスコピーを読む読者は、常に迷っています。
自分に関係あるのか。本当に信じていいのか。今読む必要があるのか。買ったらどうなるのか。失敗しないのか。
少しでも分かりにくい、退屈、怪しい、関係ないと感じた瞬間に読むのをやめます。
だからこそ、コピーには読者を次の一文へ進ませる力が必要です。
この力が「勢いづけ」です。
勢いづけとは、読者の欲求を強める技術である
勢いづけとは、読者の中にある欲求、不満、不安、期待を見つけ、それをコピーの中で少しずつ強めていくことです。
ポイントは、欲求をゼロから作るわけではないことです。
読者の中には、すでに何かがあります。
もっと売上を増やしたい。今のままではまずい。自分の商品がなぜ売れないのか知りたい。良い商品なのに価値が伝わっていない。失敗したくないけれど、このまま放置するのも嫌だ。
こうした感情を見つけ、言葉にし、商品へ向かって流していきます。
欲求は、発明するものではなく見つけるもの
ユージン・シュワルツの考え方で大事なのは、コピーライターは欲求の発明家ではないという点です。
すでに市場にある欲求を見つける。
その欲求に名前をつける。
さらに、読者が「それ、自分のことだ」と感じるように表現する。
この順番が大切です。
以前書いた商品認知度 コピーライティングでも触れたように、読者がどの段階にいるかによって響く言葉は変わります。まだ問題に気づいていない人に商品説明をしても伝わりません。まずは、その人の中にある欲求や違和感を見つける必要があります。
信ぴょう性を繰り返し積み上げる
読者の欲求を強めるだけでは足りません。
セールスコピーでは、同時に信ぴょう性も高める必要があります。
なぜなら、読者は常に疑っているからです。
「本当にそんなことができるのか」
「自分にも当てはまるのか」
「都合のいいことを言っているだけではないのか」
この疑いを残したまま先に進むと、最後の申し込みで止まります。
証拠は一度出して終わりではない
信ぴょう性は、一回の証拠だけで完成するものではありません。
実績を見せる。事例を出す。理由を説明する。権威を示す。具体例を入れる。お客様の声を見せる。数字を出す。
こうした材料を、コピー全体で何度も積み上げていきます。
ただし、同じことを単調に繰り返してはいけません。
別の角度から見せることが大切です。
たとえば、「この方法は効果があります」と言うだけでは弱い。
「なぜ効果があるのか」
「どんな人に効果があったのか」
「なぜ今までの方法ではうまくいかなかったのか」
「どういう仕組みで結果につながるのか」
こうやって別の角度から補強すると、読者の中で納得感が高まります。
同じ主張を、別の表現で何度も強化する
強いコピーは、1つの主張を1回言って終わりません。
同じ主張を、別の言葉、別の例、別の角度で何度も強化します。
これは、しつこく同じ文章を繰り返すという意味ではありません。
読者が理解しやすいように、表現を変えて何度も腹落ちさせるということです。
主張は角度を変えるほど強くなる
たとえば、「問い合わせが来ない原因は、アクセス数だけではない」という主張があるとします。
これを一回言うだけでは弱いです。
ファーストビューの問題として説明する。CTAの問題として見せる。信頼材料の不足として語る。問い合わせ後の不安として解説する。事例を使って具体化する。
こうすることで、読者は少しずつ理解していきます。
この積み上げが、コピーの勢いになります。
読者に「自分で気づいた」と思わせるコピーの作り方でも書いたように、人は押しつけられた結論より、自分で気づいた結論に強く動かされます。同じ主張を別角度で見せるのは、読者が自分で納得するための道筋でもあります。
勢いづけが弱いコピーは、途中で失速する
勢いづけが足りないコピーは、途中で読者の熱が下がります。
最初は興味を持って読んでいたのに、だんだん飽きる。
商品説明が続きすぎて、自分に関係あるのか分からなくなる。
証拠が少なくて、だんだん怪しく見えてくる。
行動する理由が弱くて、「また今度でいいか」と思われる。
こうなると、最後まで読まれても成約にはつながりません。
読者の熱量を落とさない工夫が必要
勢いづけには、いくつもの役割があります。
興味を引く。疑問を作る。続きを読みたくさせる。具体例で腹落ちさせる。信頼を高める。行動のハードルを下げる。買った後の未来を想像させる。
これらをコピー全体に仕込むことで、読者の熱量を落とさずに最後まで連れていけます。
最後のクロージングだけを強くしても、途中で熱が下がっていれば弱いです。
逆に、本文全体で勢いづけができていると、クロージングコピーも効きやすくなります。クロージングコピーの書き方で解説したように、最後の一押しは、読者の迷いを回収する場所です。その前の段階で欲求と信頼が高まっているほど、最後の一押しは自然に機能します。
勢いづけに必要な3つの要素
勢いづけを作るには、最低でも3つの要素が必要です。
欲求。信ぴょう性。主張の強化。
この3つがそろうと、コピーは読み進められやすくなります。
欲求を強める
まず、読者の中にある願望や不満を言葉にします。
「もっと売上を増やしたい」
「問い合わせが来ない原因を知りたい」
「自分の商品価値をちゃんと伝えたい」
この感情を見つけ、本文の中で少しずつ強めます。
信ぴょう性を高める
次に、疑いを消します。
実績、事例、理由、具体例、証拠を使って、「たしかにそうかもしれない」と思ってもらいます。
信頼がなければ、欲求が高まっても申し込みにはつながりません。
主張を別角度で補強する
最後に、同じ主張を別の表現で強めます。
一度言って終わりではなく、例を変え、角度を変え、読者の理解を深めます。
この繰り返しによって、読者は少しずつ前のめりになります。
あなたのビジネスにどう応用するか?
勢いづけは、長いセールスレターだけの話ではありません。
LP、メルマガ、ブログ記事、ステップメール、説明会台本、動画台本、個別相談のトークにも使えます。
大事なのは、いきなり商品説明に入らないことです。
まず、読者の中にある欲求を見つける。
次に、その欲求を強める。
さらに、信ぴょう性を積み上げる。
最後に、主張を別の角度から補強しながら、行動する理由へつなげる。
まず、読者の欲求を書き出す
自分の商品を売る前に、読者がすでに持っている欲求や不満を書き出してみてください。
何に困っているのか。何を変えたいのか。どんな不安があるのか。何を手に入れたいのか。どんな未来を望んでいるのか。
ここを見ないまま商品説明を書くと、読者の心に入れません。
次に、信じてもらう材料を用意する
欲求を見つけたら、次は信ぴょう性です。
なぜあなたの主張は正しいのか。どんな事例があるのか。どんな理由で効果が出るのか。誰が実践しているのか。
読者は、欲しくなった後に必ず疑います。
その疑いを先回りして消す材料を用意してください。
最後に、同じ主張を別の角度で伝える
セールスコピーでは、1回言えば伝わると思わない方がいいです。
読者は忙しく、疑い深く、途中で何度も止まりそうになります。
だからこそ、同じ主張を別の表現で強化していく必要があります。
いつか必要な商品を今欲しい商品に変える方法でも触れたように、人は「いつか必要」だけでは動きません。今の自分に関係があり、信じる理由があり、行動する意味が見えた時に動きます。
勢いづけとは、その状態まで読者を連れていくための技術です。
売れるコピーは、ただ説明しているのではありません。
読者の欲求を強め、信頼を積み上げ、主張を何度も補強しながら、最後まで読ませています。
だから、セールスコピーには十分すぎるほどの勢いづけが必要なのです。
参考URL


コメント