なぜ、ミンティアは売上4割減から過去最高売上までV字回復できたのか?

ミンティア マーケティング 売上4割減から過去最高売上までV字回復した理由を解説 V字回復
ミンティアは、商品を大きく変えるのではなく、使うシーンと買い場を作り直した

人と会う機会が減ると、売れなくなる商品があります。たとえば、口をすっきりさせるタブレット菓子です。出勤しない。商談に行かない。飲み会も減る。マスクをつけて、人と近い距離で話す場面も少なくなる。そうなると、「人前で話す前に口を整える」という需要そのものが弱くなります。

その影響を大きく受けた商品のひとつが、ミンティアです。ITmediaによると、ミンティアはコロナ禍で売上が約4割減少しました。しかし、そこから回復し、2025年には261億円の過去最高売上を達成したと報じられています。

普通なら、売上が4割も落ちた定番商品は守りに入りそうです。広告費を抑える。新商品を絞る。既存ファンだけを逃さないようにする。そう考えてもおかしくありません。

でも、ミンティアは違いました。

商品をまったく別物に変えたのではありません。変えたのは、「いつ使うのか」「どこで買うのか」「どんな気分で手に取るのか」という商品の出番です。

ここに、ミンティア マーケティングの面白さがあります。

売れなくなった原因は、商品ではなく「出番」だった

ミンティアのようなタブレット菓子は、人との接点と相性が良い商品です。会議の前、商談の前、外出中、飲み会の後、仕事の合間。口をすっきりさせたい時や、気分を切り替えたい時に手に取られます。

ところが、コロナ禍でこの前提が崩れました。リモートワークが増え、マスク生活が広がり、外食や飲み会が減ったことで、これまで当たり前にあった使用シーンが一気に少なくなったのです。

商品が悪くなったわけではない

ここで大事なのは、ミンティアの味や品質が急に悪くなったわけではないということです。ブランドが突然嫌われたわけでもありません。

売れなくなった原因は、商品の価値が消えたからではなく、商品が使われる場面が減ったことでした。

これは多くのビジネスにも起こります。商品は悪くない。でも、お客さんの生活が変わる。働き方が変わる。買い物の場所が変わる。その結果、今までの売り方が通用しなくなる。

こういう時、すぐに商品を作り替える前に考えるべきことがあります。

今のお客さんは、どんな場面ならこの商品を必要とするのか。

ミンティアは、ここを見直したからV字回復のきっかけを作れたのです。

「人前で話す前」から「オンライン会議前」へ広げた

コロナ以降、対面の会議は減りました。しかし、会議そのものが消えたわけではありません。むしろ、オンライン会議やオンライン授業など、画面越しに声を出す機会は増えました。

そこでミンティアは、従来の「人前で話す前」という出番を、リアルな場面だけに限定しませんでした。

オンライン会議前。リモートワーク中。授業や配信の前。声を出す前に、口や気分を整える。そう考えると、ミンティアの出番はまだあります。

価値は同じでも、使われ方は変えられる

ミンティアの基本価値は大きく変わっていません。口をすっきりさせる。気分を切り替える。集中のスイッチを入れる。こうした価値はそのままです。

変えたのは、その価値をどの生活シーンに結びつけるかです。

この考え方は、ファブリーズのマーケティングにも通じます。ファブリーズは、単に消臭できる商品として売ったのではなく、自分では気づきにくいニオイを「問題」として見せることで、使う理由を作りました。ミンティアも同じように、新しい生活の中で「使う理由」を作り直したのです。

売れなくなった時に必要なのは、商品を完全に変えることだけではありません。お客さんの生活に合わせて、商品の出番を作り直すことも重要です。

自宅や仕事中にも「気分を切り替える」理由を作った

ミンティアは、外出先だけで使う商品ではありません。自宅で仕事をしている時にも、気分を切り替えたい瞬間があります。

朝の仕事前。昼食後。オンライン会議の直前。集中力が切れてきた夕方。こうした場面で「少し口をすっきりさせる」「気分をリセットする」という需要は生まれます。

以前なら、ミンティアは外出中や人と会う前の商品として見られやすかったかもしれません。しかし、在宅時間が増えたことで、自宅の中にも新しい使用シーンが生まれました。

場面を変えると、同じ商品でも意味が変わる

同じミンティアでも、使う場面が変わると意味が変わります。

商談前なら、口臭ケア。

仕事中なら、気分転換。

オンライン会議前なら、声を出す前の準備。

自宅なら、仕事モードに入るための小さなスイッチ。

このように、商品そのものは同じでも、お客さんの生活に合わせて意味を変えられます。

これは、キットカットの受験マーケティングにも近い話です。キットカットはチョコそのものを大きく変えたのではなく、受験生を応援するシーンと結びつけることで、買う理由を作りました。ミンティアも、タブレット菓子を新しい生活シーンに結びつけることで、再び手に取る理由を作ったのです。

コンビニだけでなく、買い場ごとに売り方を変えた

ミンティアの回復は、使用シーンの見直しだけではありません。買い場の見直しも大きなポイントです。

タブレット菓子は、コンビニでついでに買うイメージが強い商品です。通勤途中、仕事の合間、レジ前や棚で見かけて手に取る。こういう買われ方は分かりやすいです。

しかし、コロナ禍で出勤や外出が減ると、その買い場に来る回数も減ります。オフィス街のコンビニに行かない。駅前で買わない。外出ついでに手に取る機会も減る。

そうなれば、売り場も作り直す必要があります。

買う場所が変われば、見せ方も変わる

ITmediaの記事では、ミンティアがコンビニだけでなく、ドラッグストアや量販店など、販路ごとに売り方を最適化していることが紹介されています。

これはかなり大事です。

コンビニで買う人と、ドラッグストアで買う人では、気分が違います。コンビニなら、仕事中や移動中のついで買い。ドラッグストアなら、口のケアや健康に近い買い方。量販店なら、家に置いておくストックやまとめ買いとして見られるかもしれません。

同じ商品でも、売り場が変われば、お客さんの見方も変わります。

だから「どこでも同じように売る」では弱いのです。その場所では、どんな理由で手に取られるのか。そこまで考えることで、商品はもう一度売れ始めます。

定番商品だからこそ、守らずに攻めた

ミンティアは、すでに知名度のある定番商品です。定番商品は強い反面、変えにくい商品でもあります。

大きく変えすぎると、既存のお客さんが離れるかもしれない。今までのイメージが崩れるかもしれない。そう考えると、守りに入りたくなります。

しかし、定番商品ほど、生活の変化に合わせて更新しないと古く見えることがあります。

売れていた理由は、時間とともに古くなる

以前はこの売り方で売れた。以前はこの場所で買われた。以前はこの訴求で反応があった。

この「以前は」が危険です。

お客さんの生活が変われば、売れていた理由も変わります。出勤が減れば、通勤途中の商品は弱くなります。外出が減れば、外出先でのついで買いも減ります。会う人が減れば、対面前のケア需要も下がります。

だから定番商品でも、使われ方を更新する必要があります。

この点は、ドミノ・ピザのV字回復マーケティングにも通じます。売れなくなった時に大事なのは、過去の成功パターンにしがみつくことではありません。今のお客さんに合わせて、見え方や届け方を作り直すことです。

売れない原因は「商品力」ではなく「文脈」かもしれない

ミンティアの事例から分かるのは、売れない原因を商品力だけで判断してはいけないということです。

売上が落ちると、つい商品そのものを疑いたくなります。

味が悪いのか。価格が高いのか。競合に負けたのか。ブランドが古くなったのか。

もちろん、その可能性もあります。

でも、もうひとつ見るべきものがあります。

それが文脈です。

お客さんの生活のどこに置くか

商品は、お客さんの生活の中で使われます。

どんな場面で必要になるのか。どんな気分の時に欲しくなるのか。どこで見かければ買いたくなるのか。誰といる時に使うのか。

ここがズレると、良い商品でも売れにくくなります。

逆に、生活の中に新しい出番を見つけられれば、同じ商品でも復活する可能性があります。

この意味では、コカ・コーラのマーケティングにも近いです。コカ・コーラも、最初から世界的ブランドだったわけではありません。広告やクーポンを使い、知ってもらい、試してもらう接点を作っていきました。商品そのものだけでなく、接点や文脈を設計することが大切なのです。

あなたのビジネスにどう応用するか?

ミンティア マーケティングから学べるのは、商品が売れなくなった時、すぐに商品を作り替えなくてもいいということです。

まず見るべきなのは、「使うシーン」と「買い場」です。

あなたの商品は、今どんな場面で必要とされていますか。以前は売れていたけれど、今はその場面が減っていませんか。お客さんの生活や仕事の仕方が変わったことで、別の使い方が生まれていませんか。

ここを考えるだけで、訴求は大きく変わります。

商品の出番を作り直す

たとえば、整体なら「腰が痛くなった時に行く場所」だけではなく、「在宅ワークで姿勢が崩れた人が整える場所」と見せられます。

コピーライティング講座なら「文章を学ぶ講座」だけではなく、「広告費をムダにしないために、売れる言葉を整える講座」と伝えられます。

終活サービスなら「死後の準備」ではなく、「残された家族が迷わないように、今のうちに想いを整理するサービス」と見せられます。

サプリなら「健康のため」だけでは弱いかもしれません。でも、「朝のだるさが抜けない人のため」「仕事中の集中を保ちたい人のため」と場面を切ると、必要性が見えやすくなります。

商品は同じでも、出番が変われば売れ方は変わります。

ミンティアは、コロナで失われた出番が戻るのをただ待ちませんでした。オンライン会議前、自宅、仕事中、マスク生活、ドラッグストアや量販店など、新しい生活の中に出番を作り直しました。

売れなくなった商品に必要なのは、まったく別の商品に変えることではないかもしれません。

お客さんの今の生活に合わせて、もう一度「いつ使うのか」「どこで買うのか」「なぜ今必要なのか」を設計し直すこと。

そこに、V字回復のヒントがあります。

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この記事を書いた人

   

セールスコピーライター てらじまたくろう

高額でも御社の商品を買いたい人を特定し、集め、高値で販売し、売上に貢献するセールスコピーライター。LP、ステップメール、セールスレター、説明会台本、AI集客動画まで、売れる導線を一気通貫で設計。このブログでは、実際に売れた商品や広告を題材に、「なぜ売れたのか?」をマーケティング視点で解説しています。

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