なぜ、ねるねるねるねは「懐かしいお菓子」で終わらずV字回復できたのか?

ねるねるねるね マーケティング 懐かしいお菓子で終わらずV字回復できた理由を解説 V字回復

ねるねるねるねと聞くと、あの魔女のCMを思い出す人も多いかもしれません。

粉に水を入れて、ぐるぐる混ぜる。色が変わって、ふわっと膨らむ。子どもの頃、あの不思議な変化にワクワクした人もいるはずです。

でも、ここでひとつ問題があります。

大人にとって懐かしい商品が、今の子どもにとっても面白いとは限らないということです。

昔のヒット商品は、放っておくと「親世代が懐かしむ商品」になります。もちろん、それは強みです。ただ、懐かしさだけに頼ると、今の子どもにとっては「昔のお菓子」で終わってしまう可能性があります。

ねるねるねるねが面白いのは、昔の成功イメージに甘えなかったところです。

クラシエ公式によると、ねるねるねるねは1986年に誕生し、粉と水を混ぜると色が変わってふくらむ不思議なお菓子として親しまれてきました。2026年には発売40周年を迎えています。

一方で、プレジデントオンラインでは、ねるねるねるねには売上半減からV字回復した歴史があったと紹介されています。ダイヤモンド・オンラインでも、V字回復の背景として、現代の子どもの味覚変化に着目したことが取り上げられています。

では、なぜねるねるねるねは「懐かしいお菓子」で終わらず、V字回復できたのでしょうか。

ポイントは、昔のファンではなく、今の子どもを見たことです。

昔のヒット商品ほど、懐かしさだけでは売れない

ロングセラー商品には、強い武器があります。

それは、すでに名前を知られていることです。

ねるねるねるねも、あのCMや独特の商品体験によって、多くの大人の記憶に残っています。親世代が「あ、これ懐かしい」と感じる商品は、それだけで売り場で目に止まりやすくなります。

ただし、懐かしさには限界もあります。

買うのは親でも、楽しむのは子ども

子ども向けのお菓子の場合、親が懐かしいと思って買うことはあります。でも、実際に食べて遊ぶのは今の子どもです。

親にとって思い出の商品でも、子どもが楽しいと思わなければ、次の購入につながりにくくなります。

昔の子どもが好きだった味。

子どもが驚いた仕掛け。

昔の子どもが面白いと感じた遊び方。

それらが、今の子どもにもそのまま刺さるとは限りません。

ここを見誤ると、ロングセラー商品は「懐かしいけど、今は買わない商品」になってしまいます。

だからこそ、ねるねるねるねは今の子どもを見直す必要がありました。

現代の子どもの味覚を調べ直した

ねるねるねるねのV字回復で重要なのは、子どもたちの味覚や好みをきちんと見直したことです。

ダイヤモンド・オンラインでは、ねるねるねるねが現代の子どもの味覚変化に着目したことが紹介されています。昔と比べて、子どもたちがどんな酸味、刺激、食感を楽しいと感じるのか。そこを掘り下げた点が、復活の鍵として語られています。

これは、かなり大事な視点です。

商品を長く売っていると、売り手は「うちの商品はこういうものだ」と考えがちです。昔からこの味で売れてきた。昔からこの見た目で親しまれてきた。だから、このままでいい。

でも、お客さんは変わります。

味覚も、楽しいと感じるポイントも変わる

子どもの食体験は、昔と今では違います。

コンビニには新しいお菓子が並び、動画やSNSでカラフルな食べ物を見る機会も増えています。刺激のある味、食感の変化、見た目の面白さに触れる機会も多くなりました。

そうなると、昔と同じ驚きだけでは足りない可能性があります。

「色が変わる」だけで驚いた時代と、「映える」「混ぜる」「変化する」「食感がある」まで楽しむ時代では、商品の見せ方も変える必要があります。

ねるねるねるねは、ここを見直しました。

昔の成功パターンを守るだけではなく、今の子どもにとって何が楽しいのかを調べ直したのです。

この考え方は、ミンティアのマーケティングにも通じます。ミンティアも、コロナで従来の使用シーンが弱くなった時、今のお客さんの生活に合わせて「使う場面」を作り直しました。どちらも、過去ではなく現在のお客さんを見たから復活できた事例です。

「食べるお菓子」ではなく「作って遊ぶ体験」にした

ねるねるねるねは、ただ食べるだけのお菓子ではありません。

粉を入れる。水を入れる。混ぜる。色が変わる。ふくらむ。最後に食べる。

この流れそのものが、ひとつの体験です。

クラシエの知育菓子公式サイトでは、知育菓子を「こどもの自信をはぐくむお菓子」として紹介しています。商品紹介ページにも、ねるねるねるねを含むさまざまな知育菓子シリーズが並んでいます。

ここが、普通のお菓子との大きな違いです。

完成品ではなく、完成までの時間を売っている

多くのお菓子は、袋を開けて食べれば終わりです。

もちろん、それもおいしい体験です。でも、ねるねるねるねは違います。

食べる前に、子ども自身が作る時間があります。

うまく混ざるかな。色が変わった。ふくらんできた。トッピングをつけたらどうなるかな。こうした小さな驚きが積み重なります。

つまり、ねるねるねるねが売っているのは、味だけではありません。

自分で作る楽しさ。

変化を見るワクワク。

できたという小さな達成感。

親子で一緒に遊べる時間。

こうした体験が、商品の価値になっています。

この「使う理由を作る」という点は、ファブリーズのマーケティングにも近いです。ファブリーズは、消臭剤という機能だけではなく、自分では気づきにくいニオイを問題として見せることで、使う理由を作りました。ねるねるねるねも、単なるお菓子ではなく、作って遊ぶ理由を前面に出したのです。

SNS時代に合うように、見た目の楽しさも更新した

今の子どもたちは、昔よりも視覚的な刺激に触れる機会が多いです。

YouTube、Instagram、TikTok、ショート動画。カラフルで、動きがあり、変化が分かりやすいものが日常的に流れてきます。

そうなると、お菓子も「おいしい」だけでは目立ちにくくなります。

見て楽しい。

作って楽しい。

写真や動画にしたくなる。

この要素があると、商品は広がりやすくなります。

色が変わる体験は、SNSと相性がいい

ねるねるねるねには、もともと色が変わる、ふくらむ、混ぜるという強いビジュアルがあります。

これは、SNS時代と相性が良い特徴です。

完成品だけを見せるのではなく、変化の途中を見せられるからです。粉が水と混ざり、色が変わり、ふわっとふくらむ。その過程は、写真よりも動画で伝わりやすい体験です。

クラシエ公式の40周年スペシャルサイトでも、「うちゅうのフルーツ味」や「DXねるねる」など、見た目や遊び方に広がりのある商品が紹介されています。参加型プロジェクト「みんなでつくるねるねるねるね」で集まった声をもとに誕生した商品も掲載されています。

この動きは、単なる新味追加ではありません。

今の子どもが「面白そう」と感じる見た目や遊び方に合わせて、体験を更新しているのです。

この考え方は、キットカットの受験マーケティングにも通じます。キットカットはチョコそのものだけではなく、受験生を応援するシーンと結びつけました。ねるねるねるねも、お菓子そのものに「作る」「見せる」「遊ぶ」というシーンを結びつけています。

昔の成功体験に甘えなかったことが強い

ねるねるねるねは、懐かしさを捨てたわけではありません。

むしろ、懐かしさは大きな資産です。

親世代が知っている。名前を聞いたことがある。売り場で見た時に思い出す。これは、新商品にはない強みです。

ただ、懐かしさだけでは今の子どもには届きません。

過去のファンではなく、今のお客さんを見る

ロングセラー商品が難しいのは、過去の成功が強すぎることです。

昔のCMが有名だった。味が売れた。

昔のパッケージが記憶に残っている。

そうした成功体験があるほど、「変えないこと」が正解に見えてしまいます。

でも、本当に見るべきなのは、昔のお客さんではありません。

今、買う人。食べる人。今、楽しむ人。

ねるねるねるねの場合、それは現代の子どもです。

ここを見たから、商品は「懐かしいお菓子」ではなく、「今の子どもが楽しめる知育菓子」として更新されました。

この発想は、コカ・コーラのマーケティングにも通じます。コカ・コーラも最初から世界的ブランドだったわけではなく、知ってもらい、試してもらい、思い出してもらう接点を積み重ねて成長しました。ブランドは過去の知名度だけでなく、今のお客さんとの接点を作り続けることで強くなります。

ねるねるねるねのV字回復から見えること

ねるねるねるねのV字回復から分かるのは、昔売れた商品ほど、今のお客さんに合わせて価値を更新する必要があるということです。

名前が知られている。

昔のCMが記憶に残っている。

親世代が懐かしがってくれる。

これらは、たしかに強みです。

でも、そこで止まると商品は思い出になります。

ロングセラーとして生き残るには、今の生活、今の感覚、今の楽しみ方に合わせて、もう一度「欲しい理由」を作り直す必要があります。

ねるねるねるねは、懐かしさを入口にしながらも、今の子どもの味覚や遊び方に合わせて、作る楽しさ、見た目の変化、親子で楽しめる体験を更新しました。

だから、昔のお菓子ではなく、今も選ばれる知育菓子として残っているのです。

あなたのビジネスにどう応用するか?

ねるねるねるね マーケティングから学べるのは、過去に売れた商品ほど「今のお客さん」を見直す必要があるということです。

昔は売れていた。反応が良かった。

昔はこの言い方で申し込みが取れた。

そういう成功体験は、たしかに大切です。でも、お客さんの生活や価値観が変われば、同じ売り方が通用しなくなることがあります。

過去の勝ちパターンを、そのまま使わない

講座なら、昔は「ノウハウが学べます」で売れたかもしれません。でも今は、「実践できる」「添削がある」「AIと組み合わせられる」「短時間で使える」ことが求められているかもしれません。

整体なら、昔は「痛みを改善します」で十分だったかもしれません。今は、在宅ワークによる姿勢の崩れ、スマホ首、睡眠の質など、生活の変化と結びつけたほうが伝わりやすい可能性があります。

コンサルなら、昔は「売上アップ」で興味を持たれたかもしれません。でも今は、広告費の高騰、SNS疲れ、AI時代の差別化など、今の悩みに合わせた切り口が必要です。

商品そのものを大きく変える前に、まず考えるべきことがあります。

今のお客さんは、何に困っているのか。

何を楽しいと感じるのか。

どんな言葉なら自分事になるのか。

どんな体験なら人に話したくなるのか。

ここを見直すだけで、昔の商品にも新しい出番が生まれます。

ねるねるねるねは、懐かしさだけに頼りませんでした。今の子どもの味覚や遊び方を見直し、「作って遊べる知育菓子」として価値を更新しました。

売れなくなった商品に必要なのは、過去を否定することではありません。

過去の強みを活かしながら、今のお客さんに合わせて意味を作り直すこと。

そこに、ロングセラーがV字回復するヒントがあります。

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この記事を書いた人

   

セールスコピーライター てらじまたくろう

高額でも御社の商品を買いたい人を特定し、集め、高値で販売し、売上に貢献するセールスコピーライター。LP、ステップメール、セールスレター、説明会台本、AI集客動画まで、売れる導線を一気通貫で設計。このブログでは、実際に売れた商品や広告を題材に、「なぜ売れたのか?」をマーケティング視点で解説しています。

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